歌手、伍代夏子(59)が3月に喉のジストニア(痙攣性発声障害)で歌手活動の一時休止を発表後、初レコーディングをしたことが20日、分かった。
11分38秒の大作「歌謡劇 雪中相合傘-科白編-」で、本紙の取材に伍代は「喉が閉まる感じは残っている」と万全ではないが、真骨頂の艶やかな歌声で魅了。それでも「響きは少し戻ってきた」と完全復活に向けて笑顔を見せていた。
発売日の21日からデビュー40年目に突入。今作では実写とアニメを融合させた映像作品に主演するなど新境地を開拓した。吹雪の山中で男女の切ない恋愛模様を表現し「映像については満足です」と喜んでいた。
喉は2年ほど前から違和感を覚え、歌唱だけでなく普段の会話にも支障をきたすようなった。さまざまな治療や診察を受けるも改善されず、昨年に入り悪化。同年末の精密検査で喉のジストニアと診断された。
治療ではストレスが原因と指摘され、もともと人と会話するのが好きで緊張は感じないが、「一時期は夫(杉良太郎)や仕事など人間関係のせいにしてみたけど治らなかった」と告白。一人になる時間も重要と考え、瞑想など「スピリチュアルなことも試した」が、好転しなかった。
「ネガティブになるとどんどん悪くなる」と実感し、スポーツの動作に支障をきたす局所性ジストニア(イップス)にも着目。「ある日突然投げれるようになる」と聞き、現在は「症状と向き合い過ぎないようにしている」という。マリナーズのイチロー会長付特別補佐(47)が日本のプロ野球時代、一時イップスだったことを知り、「それでも活躍していたのは刺激になるし、同じ症状の歌手仲間にも支えられている」と前を向いた。
NHK紅白歌合戦には22回出場。演歌・歌謡界をけん引する伍代は、「ただひたすらに歩いてきたけど、まだ達成感はない。だから、まずは早く舞台で歌えるようにならなきゃ」と持ち味の明るい表情で歌手人生の再始動を約束した。
今回の映像はhttps://youtu.be/FEugZKB7cQwで視聴できる。