【東京五輪と日本】コロナ対応“日本の敗北” 4度目の緊急事態宣言、五輪「無観客」 医師会は恥じるべきだ 酒が諸悪の根源という怪しげな見解 - イザ!

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東京五輪と日本

コロナ対応“日本の敗北” 4度目の緊急事態宣言、五輪「無観客」 医師会は恥じるべきだ 酒が諸悪の根源という怪しげな見解

東京都への4度目の緊急事態宣言発令を発表する菅首相(左)と、政府コロナ分科会の尾身会長=8日、首相官邸
東京都への4度目の緊急事態宣言発令を発表する菅首相(左)と、政府コロナ分科会の尾身会長=8日、首相官邸

 東京五輪の開会式(23日)が迫るなか、東京都に4度目の新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、東京五輪は、首都圏1都3県と、北海道、福島県では「無観客」開催となった。欧米に比べて、新型コロナの新規感染者数が桁違いに少ない現状での判断に、五輪参加を見送るアスリートや、混乱を批判する海外メディアもある。評論家の八幡和郎氏が、東京五輪を見据えた、わが国の「コロナ対応」について考察した。

 月刊「正論」8月号で、「武漢ウイルスとの戦い 日本は敗北したのか」という対談を、元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏(感染免疫学)と行った。

 私は「昨年と今年の2年間での経済の落ち込みは、感染の規模が桁違いな欧米並みだから『日本の敗北』」と申し上げた。

 「五輪中止」や、「無観客」開催を主張してきた医師会などは、政府を追い込んで得意満面だろう。東京都医師会の尾崎治夫会長や、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らの顔が浮かぶ。

 欧米に比べたらさざ波のような状況でも、「医療崩壊しかねない」として緊急事態宣言が発令された。自分たちの論理を押しつけて、庶民の暮らしを苦しめ、五輪を「無観客」にしたのが、自分たちであることこそ恥じるべきだ。

 日本の入院医療体制は、軽症とか終末期の患者を長く入院させて儲かるようになっており、以前から「危機対応に向かない」と危惧されていた。

 だが、いざとなったら、医療界はこれまでの枠組みを超えた対応をすると思われてきたのに、完全に期待外れだった。重症者用ベッド数をほとんど増やさず、休みはいつものように取るので、医療が逼迫(ひっぱく)しただけだ。

 飲食業、特に酒を出すのが諸悪の根源という怪しげな「医学的な見地」から、政府の方針決定の主導権を握り、足腰が弱く、恵まれない環境から這い上がってきた人も多いこの業界いじめを続けた。「規制が長くなると飽きられる」「公平を考えて負担を広く国民が分担すべき」「休業補償だけでは人材は長く確保できない」といった指摘にも耳を貸さなかった。

 私は、最も営業縮小すべき業種は医療界だと思う。コロナ禍で世界的に通常医療は縮小されている。感染防止のためにも、医療機関通いは減らすべきだ。海外では医療資源確保のために、コロナと関係ない部門は診療時間を減らし、ワクチン接種も含めたコロナ対応に回していた。

 ところが、日本ではワクチン接種で政府が「医師独占範囲の再検討」をチラつかせるまで動かなかった。

 しかも、医療従事者らは、世界で類例を見ない「最優先でのワクチン接種」をお手盛りでした。厚労省推計で約300万人だったのに、各医療機関に判断させたら2倍近くの500万人以上になったのは、さまざまな意味で「不適切な人々」が含まれていることを示唆する数字だ。

 ワクチン接種の遅れの理由はいろいろあるが、ワクチンへの「特異な不信感」が流布されている面もある。医学界でも同調する人たちがいて、主流派の人々もまともに戦わないので、子宮頸がんワクチンの接種が進まず、年間3000人の死者と子宮を失う女性を積み上げている。

 コロナ・ワクチンの承認を急ぐために、昨年11月に法律改正を行ったのだが、立憲民主党や共産党の要求による付帯決議で縛りをかけられた。これが遅れの最大の原因であることをマスコミが報じないのも残念だ。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『日本人のための日中韓興亡史』(さくら舎)、『日本人がコロナ戦争の勝者となる条件』(ワニブックス)など多数。

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