36人が犠牲となった「京都アニメーション(京アニ)」の放火殺人事件は18日、発生から2年を迎え、現場となった京都市伏見区の第1スタジオ跡地で京アニ主催の追悼式が営まれた。遺族や八田英明社長ら関係者約70人が参列し、犠牲者を悼んだ。
京アニによると、追悼式は設営されたテント内で、事件発生時刻の午前10時半すぎに始まった。ヒマワリやユリの花で飾られた祭壇を前に、全員で1分間黙禱(もくとう)し、遺族代表が弔辞を読み上げた。その後、参列者が1人ずつ白いキクを献花し、亡くなった36人に祈りをささげたという。
八田社長は弔辞で、「優秀な仲間がこの地に集まった。皆、輝いていた。あなたたちを忘れることはない。いつも心の支えです」と犠牲者をしのんだ。
また、式開始に合わせて動画投稿サイト「ユーチューブ」の京アニ公式チャンネルではファンに向けた追悼映像も配信され、その中で遺族や同僚ら4人から寄せられたメッセージを紹介。
「ただ、ただ、会いたい。あなたに会いたい。叶(かな)わぬ事ことだとわかっていながらもあの日からずっと願い続けています」といった犠牲者への思いとともに、「皆さんの〝想い〟はいつまでもわたしたちと共にあります。心の会話を交わしながら、これからも一緒に作品を創り続けていきましょう」などと今後のアニメ制作への決意がつづられていた。
京都アニメーション放火殺人事件
令和元年7月18日午前10時半、京都市伏見区の京都アニメーション第1スタジオから出火。建物内にいた社員70人のうち、36人が死亡、32人が重軽傷を負った。ガソリンをまいて火を付けたとして、青葉真司被告(43)が殺人や現住建造物等放火などの疑いで逮捕、起訴された。警察庁によると、殺人事件の犠牲者数としては平成以降で最悪。