【食と健康 ホントの話】糖尿病の高い発症率 アルコールに強い人ほど飲酒量に注意 - イザ!

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食と健康 ホントの話

糖尿病の高い発症率 アルコールに強い人ほど飲酒量に注意

田村好史医師
田村好史医師

 日本人を含む東アジア人は、欧米人よりも糖尿病になりやすい体質をもつ。太ると発症率が上がるのは同じだが、欧米人より低い肥満度で糖尿病になる人が多いのだ。

 東アジア人が糖尿病になりやすいメカニズム、遺伝的要因のすべては解明されていない。

 一方、近年、東アジア人43万人以上のゲノムワイド関連研究(疾患や身長・体重などの量的な形質に影響があるゲノム上のマーカー〈遺伝的変異〉を網羅的に検索する手法)が行われ、アルコールに強いタイプの遺伝子型を有する男性は糖尿病になりやすいことが報告された(Nature 2020)。

 「とはいうものの、アルコールに強い遺伝子型であるとなぜ糖尿病が発症しやすいのかは、不明な点が多く残されています。そのメカニズムの解明を目指した研究を行いました」と話すのは、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学・スポーツ医学・スポートロジー先任准教授、田村好史医師。

 田村医師らの研究グループはこのゲノムワイド関連研究を受けて、正常体重の日本人男性94人を対象に調査をし、「アルコールに強い遺伝子型を持った人は、飲酒量が多くなることで、肝臓のインスリンの効きが悪くなり、空腹時血糖値が高くなる可能性がある」ことを明らかにした。

 研究内容は、平均体格指数(BМI。[体重(キログラム)]÷[身長(メートル)の2乗]。日本では25以上が肥満)が正常範囲内(21~25)の日本人男性94人を対象に、アルコールに強いALDH2遺伝子型の有無▽1日のアルコール摂取量▽空腹時血糖値▽グルコースクリアランス(空腹時に糖がどの程度全身に取り込まれるか)▽肝インスリン感受性(インスリンが肝臓からの糖放出を抑制し、血糖値を低下させる度合い。これが低下すると、肝臓からの糖放出が高まり、空腹時血糖値が高くなると考えられている)-の項目を調査した。

 その後、参加者をアルコールに強い遺伝多型を持つハイリスクグループ(以下、ハイリスクG)(53人)と、その他の遺伝子型のローリスクG(41人)に分けて比較。その結果、ハイリスクGでは1日に18・4グラム(中央値)のアルコール(ビール460ミリリットル程度)を摂取し、ローリスクGの摂取量12・1グラム(ビール300ミリリットル程度)の約1・5倍となっていた。体脂肪量、肝脂肪量や肝機能などにはグループ間で有意な差は認められなかった。ところが、空腹時血糖値はハイリスクGではローリスクGに比べ有意に高いことが明らかとなった。

 「ハイリスクGでは、太ってはいないものの、飲酒量が多く、空腹時血糖値が高いことがわかりました。そこで、ハイリスクGで血糖値が高くなるメカニズムを解析したところ、ハイリスクGでは肝インスリン感受性と、グルコースクリアランスが低下しており、その一部は飲酒量の多いことが関連していました」

 ハイリスクGの中でも、飲酒量が1日30グラム未満だと30グラム以上の人に比べて空腹時血糖値が低く、肝臓のインスリン抵抗性も比較的良好であることも明らかになったという。

 ちなみに、アルコール度数5%のビール750ミリリットルで30グラムだ。

 このため、アルコールの摂取量の適切な管理が、糖尿病予防に効果があると考えられる。

 「アルコールに強いからたくさん飲んでも大丈夫というわけではありません。飲める人は飲酒量に特に注意が必要です」

 当研究は米国内分泌学会雑誌(JCEM)のオンライン版で公開されている。

(医療ジャーナリスト・石井悦子)

zakzak

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