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コロナ格差拡大の株高につきまとう不安 広がる実体経済と金融経済の乖離

 中国武漢発新型コロナウイルス・パンデミック(世界的大流行)禍のもとで、繰り出される大型の財政支出と中央銀行による巨額の資金投入が株価など金融資産の相場を押し上げている。対照的に、肝心の実体経済回復速度は遅い。ワクチン接種が進んでも変異株感染不安のために人の足が元に戻りにくいためだ。

 このままだと金融資産を持たざる者の生活を支える実体経済と、持つ者をさらに豊かにする金融経済の乖離(かいり)が広がる一方だ。典型例が、実体、金融の双方で世界の資本主義の総本山である米国である。

 デジタル化で金融市場が異常なまでに膨張した現代資本主義では、金融経済と、国内総生産(GDP)で表される実体経済の間を双方向でつなぐのがカネのパイプである。金融経済を取り仕切る金融機関によって家計消費、生産設備や住宅投資など実体経済にカネが流れ込めばGDPも増加するが、経済危機時にはそんな資金循環パイプが詰まる。

 グラフは米国の家計金融資産とGDPの年間増減額のGDP比を、コロナ禍とリーマン・ショック後に分けて算出し比較した。基準時点はそれぞれ今年3月、2009年3月時点とした。

 2つの経済危機時に共通するのは積極的な財政出動と米連邦準備制度理事会(FRB)による大規模な量的金融緩和だが、いずれの規模もコロナ禍がリーマン時をはるかに上回る。

 リーマン時の経済対策は08~09年で1兆5000億ドル(約166兆円)程度だったが、20年3~12月にトランプ前政権が発動した4度にわたる追加経済対策と、バイデン政権が打ち出した財政出動1兆9000億ドルを合わせたコロナ対策規模は5兆8000億ドル(約642兆円)程度で、GDP比で約26%に上る。

 FRBの資金供給増加額はリーマン後の09年3月で前年同期比約8100億ドル(約90兆円)増だったのに対し、コロナの21年3月は同約2兆ドル(約221兆円)とこれも巨大だ。

 リーマン時は金融主導でFRBが14年秋まで3度にわたって大規模な量的緩和政策を繰り出し、ドル資金供給を3兆ドル追加して金融市場に投入した。FRB資金で当初は住宅ローン証券、その次は国債、株式と証券相場を押し上げる狙いだった。

 コロナ対策は圧倒的に財政の比重が大きい。財政による家計や中小事業者への直接支援によって実体景気の縮小を食い止めると同時に、金融主導のリーマン後は株価の上昇で金融資産を持つ層がもっぱら受益し、富裕層と中低所得層の格差拡大を招いたとの反省があった。しかし、グラフが示すように、コロナ対策の結果はこれまでのところ、リーマン後よりもはるかに大きく格差を広げている。

 バイデン政権やパウエルFRB議長は、コロナ後の景気のV字型回復に向け、財政拡大と金融緩和の追加を続けている。その効果はいまだにGDPから遊離した金融相場だ。実体経済の裏付けを伴わない株高は持続可能かどうか危うく、不安がつきまとう。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

zakzak

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