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(204)生活習慣病 治療先送りしないで

産経ニュース

30代後半の男性が糖尿病の検査を求めてクリニックを受診しました。3年前に健康診断で糖尿病の疑いが強いと指摘されたものの、詳しい検査や治療を受けずに放置してしまっていました。しかし、最近、口の渇きが強くなり、尿量も増え昼も夜もトイレの回数が増え、受診しないといけないと感じたそうです。血液検査の結果、血糖値は500ミリグラム/デシリットルを超えており、糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cは16%(正常は5・5%未満、一般に8%を超えると血糖値は非常に高い印象)を超え、大変悪い状態でした。

現在日本には、糖尿病と診断されている人やその疑いが強い人が合計1千万人いるとされますが、そのうち4人に1人ほどは受診や通院をしていないと考えられています。治療を受けている糖尿病患者さんも、その4割が治療や通院をやめたいと考えたことがあるとの調査結果もあります。

糖尿病や高血圧、脂質異常症などを生活習慣病という一くくりで捉える向きもありますが、その原因はさまざまです。食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足といった悪(あ)しき生活習慣や肥満は間違いなくこれらの病気を後押しします。しかし遺伝的要因や個人の体質の差、環境なども大きく影響します。糖尿病について言えば、インスリン分泌の能力、インスリンの効きやすさなどに、もともと個人差がある場合も多く、またどのような栄養状態で胎児期や幼少期を過ごしたかによってもなりやすさの違いが出ることが知られています。

糖尿病は、きちんと治療を受けなければいけないということを多くの人が知るようになりました。しかし糖尿病と聞くと、だらしない生活を送った結果なってしまったのだと考える人は少なくありません。また少なからぬ医師が、患者さんの血糖値がうまく管理できていないことを、患者さんの責任だと考えたり口にしたりします。こういったことが結果的に患者さんを治療の中断などに追い込んでしまう可能性があります。

この男性患者さんはインスリン分泌能がかなり低下していました。1日1回のインスリン注射と飲み薬を開始したところ、1週間もしないうちに口渇と頻尿はなくなり、体調が良くなったと喜んでいました。何よりも入院せずに、生活を変えることなく治療ができたことに満足したようでした。

(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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