今年1月の埼玉県戸田市議選に「スーパークレイジー君」の名前で初当選した後、公選法が定める市内での3カ月以上の居住実態がなかったとして、市選挙管理委員会に当選無効とされた西本誠氏(34)が14日、市選管の決定を支持した県選管の裁決は「住所要件の事実認定が誤っている」などとして、裁決の取り消しを求めて東京高裁に提訴した。
訴状の中で西本氏は、地方自治法で地方議員の被選挙権の有無は原則として地方議会が決定すると定められており、居住実態の立証責任は県選管側が負うと主張。その上で、西本氏が昨年10月に住民票を移した戸田市内のアパートについて、県選管の裁決書が指摘した賃貸借契約書の不備や電気・ガス・水道の使用量の減少などは「生活実態がなかったことの根拠にはならない」と訴えている。
提訴後に都内で議員バッジをつけて会見した西本氏は「単身赴任や出張が多い人など、いろんなライフスタイルの方がいる。難しい裁判かもしれないが、みんなの励みになることを大事にしたい」と話した。
県選管は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。