熱海土石流、警視庁研修中の静岡県警警部補が捜索

産経ニュース
警視庁特殊救助隊の一員として救助活動に当たった県警の河合聡志警部補=13日、熱海市上多賀(田中万紀撮影)
警視庁特殊救助隊の一員として救助活動に当たった県警の河合聡志警部補=13日、熱海市上多賀(田中万紀撮影)

静岡県熱海市伊豆山の土石流災害で、警視庁で研修中の静岡県警の警部補が、同庁特殊救助隊の一員として救助活動に当たってきた。浜松市出身で三島署や下田署に勤務経験がある河合聡志さん(38)だ。「一人でも多く(の行方不明者を)助けたい」と、連日、堆積した泥にまみれながら手作業で懸命な捜索を担った。

河合さんは4月から、救出救助の技術向上のため警視庁へ研修中で、日ごろは座学と訓練が中心だった。ところが、今月3日に熱海市で発生した未曽有の災害に出動を命じられ、9日に警視庁を出発。10日から現場入りし、14日まで捜索作業に携わった。

静岡県警機動隊の一員として、東日本大震災や西日本豪雨の被災現場への派遣経験はあるものの、今回は「土石流なので泥がまとわりついて動きが取りにくい。土が粘土質で危険が多い」と、経験のない現場の難しさを感じていた。

担当エリアではこれまでに救助された人がおり、重機を入れず手作業での活動を続けた。「重機だと大きな力がかかってしまうので人の手で探したい。しかし、がれきに木材が混じっていてなかなか掘り進められない」と焦燥感を募らせていた。さらに炎天下による熱中症で救出作業が阻まれる危険性にも接した。

また、雨が降れば二次災害の危険性が高まり、自らの安全にも気を配らなければならなかった。神経を使いながら、巻き込まれた人たちの痕跡を見逃さないよう、集中力を研ぎ澄ましての活動だった。

河合さんは「生まれ育ったところで自分の力をお返しできたら」と話した。疲れた体を叱咤(しった)し、ヘルメットをかぶり直して現場に向かう背中には崇高な使命感をうかがわせていた。(田中万紀)

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