【異才・森田芳光が描き続けたもの】黒木瞳、深津絵里…出演陣を自然体にさせた感性と手腕 阿修羅のごとく(2003年) - イザ!

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異才・森田芳光が描き続けたもの

黒木瞳、深津絵里…出演陣を自然体にさせた感性と手腕 阿修羅のごとく(2003年)

 原作は向田邦子の脚本で1979~80年に、まずNHKでドラマ化された。パート1が全3話、パート2が全4話。

 ちなみにこのドラマのキャストは長女綱子が加藤治子、次女巻子は八千草薫、三女滝子をいしだあゆみ、四女咲子を風吹ジュンが演じ、父の恒太郎は佐分利信だった。

 余談だが、テレビ版では大騒動があった。緒形拳は「彼女の書く男が情けなさ過ぎて、演じるのがいやになった」とパート2の出演を拒否。佐分利も脚本を読んでいる途中で帰ってしまった。これが原因かは分からないが向田と和田勉は絶交。その辺の事情は和田勉が著書『向田邦子をめぐる17の物語』に詳しいので興味のある方はご一読を。

 その後、脚本が文庫本化され、森田芳光が手がけた映画の元になっている。『失楽園』の筒井ともみが脚本を手掛けた。ドラマで長女役だった加藤はナレーションに、次女の八千草は母親役に回った。四姉妹は長女が大竹しのぶ、次女が黒木瞳、三女は深津絵里、四女が深田恭子という顔ぶれ。

 大竹は「この映画がヒットしたら、向田さんが残してくれた大事なものが語り継がれていくと思う」とクランクアップ後に語っている。

 黒木は「向田さんの作品を、感性豊かな森田監督がメガホンを取るというので、今回私は気合を入れないことを目標にしました」と語る。朝食を食べて、化粧して、セットに入ってと、日常がそのまま出るように心がけたそうだ。

 深津は「向田さんの描かれる昭和の雰囲気には憧れを持っていました。撮影に入ったら“まな板の上のコイ”状態で、ただ調理されて自分なりに消化して演じている日々でした」とか。

 深田も「昔のお話なので洋服や街並み、セットが新鮮でいろいろな発見があって楽しく演じました」という。

 撮影は8割がセットで備品もたばこの自動販売機や清涼飲料水の瓶など昭和50年代のものをスタッフが探し回ってそろえた。黒木が亭主の浮気を疑い張り込むのは東京・本郷の旅館「鳳明館」。向田が杉並区に住んでいた関係で同区内の五日市街道周辺や、阿修羅ゆかりの地でもある奈良の生駒山上遊園地なども使われた。

 ともあれ黒木の夫役を演じた小林薫が「女は阿修羅だな」とつぶやく名シーンは映画史に残るだろう。2004年には舞台化もされた。 =おわり 

 (望月苑巳)

 ■森田芳光(もりた・よしみつ) 1950年1月25日~2011年12月20日。生誕70周年(没後10年)を記念し、ほぼすべての作品をブルーレイ化したBOXセット発売(12月20日)、記念本の出版、ゆかりの劇場での特集上映、海外でのレトロスペクティブ上映などを行うプロジェクト「森田芳光70祭」が始動している。

zakzak

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