静岡県熱海市伊豆山で土石流に巻き込まれそうになった同市消防本部の杉野巧消防司令(48)が10日、取材に応じ「土石流に気付いてから数秒で自分の近くまで来た。自然災害の怖さを感じた」と当時を振り返った。
杉野さんは、ツイッターに投稿された動画に間一髪で難を逃れる様子が写っており、各テレビ局が繰り返し放送した。
3日午前10時28分、「向かいの家が地滑りで跡形もなく流された」と119番を受け、杉野さんを含む13人は救急車やポンプ車計4台に分乗して向かった。
ところが、道路が土砂に埋まり、一度車を止めて徒歩で近づけるルートを捜していると「足元の土砂がゆっくり動き始めた」。住民に避難を呼び掛けながら来た道を戻っていると、今度は「ゴー」という大きな音が響き渡り、走って逃げた。すぐ近くを大量の土砂が住宅を押しながら流れ落ちていった。