【定年後の居場所】コンビニの“シニア積極採用” 家の近くで柔軟に働けるメリット - イザ!

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定年後の居場所

コンビニの“シニア積極採用” 家の近くで柔軟に働けるメリット

 先日、日本経済新聞を読んでいると、「シニア店員、コンビニで奮闘」という見出し記事が目に飛び込んできた。自宅から近い店舗を選べるほか、体力や都合に合わせた曜日・時間帯で勤務できるからだそうだ。コンビニ側も戦力として積極的に採用しているという。

 記事では、都内で働く2人を紹介していた。ローソンで働く70歳の女性は週に4日午後5時~10時に働いて、月収は8万~9万円。「元気なうちはずっと働きたい」と話している。

 セブン-イレブンで働く73歳の男性は月曜日から金曜日まで午前8時~午後4時のシフト勤務で働く。「仕事を任せてもらえることが働く喜びにつながっている」という。コンビニ側も自治体などと連携してシニア向けの説明会を実施している会社もあるそうだ。

 この記事を読んで、16年前のことを思い出した。私は40代後半に体調不良で会社を休職したが、50歳の時には完全に回復した。その頃は会社のルールで一旦、平社員になっていたので仕事は楽だったが、時間をもて余して何をしていいのかわからなくなった。いかに自分が会社にぶら下がっていたかを痛感した。

 自分には違う道もあるのではないかと考えて動き出した。ハローワークや転職紹介会社なども廻ってみたが組織の中で働く仕事はもういいかなと感じていた。

 そこで独立してやれることはないかと、喫茶店の開業を支援する専門学校のプレ講座にも参加してみた。その会場でたまたま目にした新聞紙面でコンビニのオーナー募集の広告が目についた。説明会が各地であったので参加してみた。土地建物を自分で所有していてオーナーになるタイプと、これから手当てするタイプがあって、前者は米屋や酒屋から商売替えする人も多く、後者はサラリーマンが中心だと聞いた記憶がある。私はもちろん後者である。フランチャイズの仕組みや収入モデルなどの解説、オーナーの1日の仕事の説明もあった。なかには複数の店舗のオーナーになっている人も紹介された。

 少し興味がわいたので結局3社のコンビニの説明会に参加した。3社とも大略の説明内容は変わらなかったが、面白かったのは個別面接のことだった。3社のうちの1社は必ず、自宅に担当者が訪問してきて面接をするということだった。「家で面接なんて掃除が大変。だめだめ」などと妻には言われたが、人を見る時に自宅ほど多くの情報が詰まった場所はないだろう。喫茶店とは相当違う。逆にそのコンビニは信頼できるのではないかと思った。

 結果的にはサラリーマンに対して発信することを思いついて、会社員と著述業との二足の草鞋を履くことにしたのでオーナーになる話は途中で終わってしまった。

 あれから16年、今はオーナーになれる体力も意欲もなくなった。しかし改めてコンビニの公式求人情報サイトを見ると、シニア採用の項目もあって家の近くで柔軟に働けるメリットはありそうだ。久しぶりにまた説明会に行く手もあるかと思いながら記事を読み終えた。

 ■楠木新(くすのき・あらた) 1979年、京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。50歳から勤務と並行して取材、執筆に取り組む。2015年3月、定年退職。現在、神戸松蔭女子学院大学教授。人事・キャリアコンサルタント。25万部を超えるベストセラーになった『定年後』(中公新書)など著書多数。21年5月に『定年後の居場所』(朝日新書)を出版。

zakzak

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