西日本豪雨

「なぜ避難させなかった…」遺族の松村さん 今も後悔

岡山県倉敷市の追悼式で献花する遺族代表の松村好美さん=6日午前(代表撮影)
岡山県倉敷市の追悼式で献花する遺族代表の松村好美さん=6日午前(代表撮影)

平成30年の西日本豪雨から3年を迎えた6日、母の守屋孝恵さん=当時(84)=を失った松村好美さん(58)=岡山市=は岡山県倉敷市で開かれた追悼式に出席し、遺族代表のあいさつに臨んだ。「年月を経ても心の傷が癒えることはない」。苦しい胸の内を吐露しながらも、孝恵さんの言葉を胸に防災と復興を誓った。

岡山県では95人が亡くなり、3人が行方不明のまま。追悼式の会場となった倉敷市真備(まび)町の文化施設「マービーふれあいセンター」は、孝恵さんがコンサートや友人とのカラオケを楽しんだ思い出の場所だ。

いつも明るく畑仕事が好きだった孝恵さん。豪雨の3年ほど前に夫を亡くしてからは真備町で1人暮らしをしていた。松村さんは、健康で足腰が丈夫な母の姿に「100歳まで生きる」と思っていた。


だが別れは突然訪れた。3年前の7月6日午後8時ごろ、松村さんは強まる雨を心配して電話した。「気を付けてなあ」と言葉をかけると、孝恵さんはいつものように「ありがとう」と答えた。それが最後の会話となった。

孝恵さんの自宅は高さ約5メートルまで浸水。「真っ暗な中、1人で本当に怖かっただろう」。母の胸中を想像すると「なぜ避難するよう伝えなかったのか。救えた命なのに、私が手を差し伸べなかったんじゃないか」と後悔の念にさいなまれ、涙をこらえきれない。

そんな中、背中を押してくれたのは、孝恵さんの言葉だった。「気にせられなあ」(心配ない)。落ち込んだとき「くよくよせず、前を向きなさい」と励ましてくれた。

「今でも母から、めそめそするなとエールを送られている気がするんです」と前を向く松村さんは、同じように悲しむ人を出さないために「危険な場所を知り、命を守るため、過信せずに早めの避難を心がけてほしい」と訴える。

式典であいさつした後、静かに花をたむけて孝恵さんに語りかけた。「みんな元気でやっているから、見守っていてね」(渡辺恭晃)

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