【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮外務省は公式サイトに5日付で掲載した記事で、中国政府に批判的な論調で知られた蘋果(ひんか)日報(アップルデイリー)が香港当局の弾圧で休刊に追い込まれたことについて「法治と社会秩序を守るための正当な措置だ」と主張し、積極的な支持を表明した。
記事は「香港は中国の香港だ」と題し、朝中民間交流促進協会の会員名で出されたもので「香港で民心を乱し、無分別な狼藉(ろうぜき)をそそのかす先頭に立っていた」と蘋果日報を批判。「香港政府が法に基づき、国家の安全や香港の繁栄を守るために講じる全ての措置を支持する」と強調した。
「言論の自由に対する弾圧」との欧米各国の非難については「ミスリード」だと断じ、「西側諸国が香港問題に干渉する裏には、中国の政治的安定や社会的団結を壊そうとするよこしまな心が潜んでいる」と牽制(けんせい)。香港に関し、「西側諸国の香港ではなく、香港問題に対する決定権は全面的に中国にある」と主張した。