韓国大統領選 「反日・親日」争点にさっそく論戦

産経ニュース

【ソウル=桜井紀雄】来年3月の韓国大統領選に向け「親日」「反日」論争がさっそく争点に浮上した。保守系野党陣営の最有力候補とされる尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長による文在寅(ムン・ジェイン)政権の対日外交批判に、革新系与党「共に民主党」が猛反発。尹氏は、与党候補で支持率首位を走る李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事が韓国建国と関連づけた親日派非難もやり玉に挙げ、保革有力候補の歴史論争にも発展している。

「わが目を疑った。歴史認識の浅はかさ、そんな妄言をいえる無感覚が衝撃的だった」。知日派としても知られる李洛淵(イ・ナギョン)元首相は、6月29日の出馬会見での尹氏の発言を交流サイト(SNS)でこう批判した。

5日に出馬を正式表明した与党の大統領選候補の一人である李洛淵氏が問題視したのは、尹氏が日韓関係の悪化を踏まえ、「イデオロギー偏向的な竹槍歌(ちくそうか)を歌っているうちにここまで来た」と文政権の対日外交を批判した発言だ。

「竹槍歌」は朝鮮王朝末期の抗日反乱を題材にした歌。2年前、日本が対韓輸出管理を厳格化した際、当時の文大統領の側近で後に尹氏と対立する曺国(チョ・グク)元法相がSNSに歌を投稿し、支持層に日本への敵意をあおったことで話題となった。尹氏は、文政権が竹槍歌に象徴される反日民族意識に拘泥し、外交をしくじったと主張したわけだ。

尹氏の主張に対し、与党の宋永吉(ソン・ヨンギル)代表は6月30日、地方の会合で「日本がむしろわれわれに屈服した」と述べ、文氏の対日強硬路線は成果があったとの見解を示して反論。別の与党議員は尹氏を「屈従的韓日関係に埋没した極右式歴史認識の持ち主」と批判した。

尹氏は、慰安婦やいわゆる徴用工問題についても文政権になって「めちゃくちゃになった」との認識を示した。「人権や法治、自由民主主義の価値」を共有する国々との連帯の重要性を強調し、日米との安全保障協力を深め、中国や北朝鮮を牽制(けんせい)する立場を示唆した。文政権は親北・親中に傾き、日米韓協力の枠組みを損なったとの保守陣営の見方が反映されている。

一方、与党の大統領選候補の中でも日本への強硬発言で知られてきたのが李在明氏だ。2日のオンライン記者会見では、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)が東京五輪の公式サイトの日本地図に表示されていることに反発し、「国家としての五輪参加取りやめ」に言及した。

ただ、自身が「反日的」と評されてきたことについては「日本を憎んだり、日本国民に反感を持ったりしておらず、(日本の)保守右翼の政治集団が問題だ」と釈明した。

米中対立については「バランス外交」を強調し、バイデン米政権が進める対中包囲網の構築とは距離を置く立場をうかがわせた。

1日に故郷の南東部、安東(アンドン)を訪れた際には「韓国では親日勢力が米占領軍と合作し、支配体制を維持した」と発言した。これに対し、尹氏が4日、「韓国の正統性を否定する勢力」として「自虐的な歴史歪曲(わいきょく)は絶対に許せない」とSNSに投稿するなど、野党側は一斉に反発。李在明氏は即座に「私の発言を歪曲した旧態依然の攻勢だ」と尹氏に反論した。

歴史認識をめぐる問題は保革両陣営にとって最も敏感な問題の一つなだけに、大統領選を通じて論戦が続く可能性がある。

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