全国で災害関連死を含め86人が犠牲になった令和2年7月の豪雨は4日で発生から1年となった。球磨(くま)川の氾濫で甚大な被害が出た熊本県人吉市で追悼式が開かれ、両親を失った西村直美さん(52)は遺族代表として「災害前の人も自然も豊かで美しい人吉・球磨の町を復興させていく」と誓った。
熊本ではこの1年で道路や橋などインフラの復旧が進んだが、仮設住宅の入居者は6月末で3675人。住まいの再建が課題となっている。西村さんは4日当日に帰省する予定で「どうしても娘や孫に会いたいと、帰りを自宅で待っていたのだと思う」と両親の心境をおもんぱかった。
熊本県八代市でも式典が開かれた他、特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人を含む25人が犠牲になった同県球磨村役場では松谷浩一村長らが黙禱(もくとう)した。