中国新疆ウイグル自治区での人権問題を巡り、フランス当局は、人道に対する罪の隠匿の疑いで、衣料品店「ユニクロ」のフランス法人を含む衣料・スポーツ靴大手の4社の捜査を始めた。
フランスの対テロ検察で人道に対する罪の事件を担当する部門が捜査。ユニクロのほか「ZARA」などのブランドを擁するスペインのインディテックス、米スケッチャーズ、フランスのSMCPが対象となっている。
フランスのニュースサイト、メディアパルトによると、ウイグル族に対する強制労働など人権抑圧に関する仏当局の捜査は初めて。捜査は6月末に始まったという。
仏人権擁護団体など3組織と自治区内のウイグル族収容施設の元収容者が4月に4社を告発し、工程に強制労働が含まれる製品で各社が利益を得ていると主張した。告発は、ウイグル族を強制労働させた疑いがある中国の工場と、世界の有力企業80社超が取引していたとするオーストラリア戦略政策研究所の報告書を基にしている。
新疆ウイグル自治区での人権侵害を巡っては、米税関・国境警備局がユニクロの男性用シャツの輸入を1月に差し止めたことも判明した。
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、取引先の縫製・紡績工場では強制労働がなく人権が守られていると確認した綿のみを使っていると説明している。