日銀短観、飲食・宿泊の置き去り鮮明 大企業非製造業 昨年3月以来のプラスも格差生まれる

産経ニュース
日本銀行本店=東京都中央区
日本銀行本店=東京都中央区

1日発表された6月の日銀企業短期経済観測調査(短観)では、回復が遅れていた大企業非製造業の業況判断指数(DI)も、小幅ながら昨年3月以来となるプラス圏に転じた。ただ、新型コロナウイルス対策による営業時間短縮や酒類提供の制限などを背景に飲食店や宿泊業の景況感は大幅なマイナスに沈んだままだ。海外経済の回復を受けた製造業の好調さが税収増をもたらすといった明るい材料もあるが、国内景気回復の格差という問題も鮮明になっている。

大和総研の久後(くご)翔太郎エコノミストは「非製造業は最悪期を脱出して回復を続けているが、緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置といったコロナの政策の影響を強く受ける業種が取り残されている」と指摘する。

大企業非製造業の主要12業種のうち、DIがマイナス圏から抜け出せないのは4業種。最下位は「宿泊・飲食サービス」で、7ポイント上昇したもののマイナス74と断トツの低水準に置き去りにされた。同じ対面型サービスの「対個人サービス」は下から2番目ながらも、遊園地や学習塾などの需要が戻り始め20ポイント上昇のマイナス31と持ち直した。

日本フードサービス協会によると、5月の外食売上高は前年同月比で20%増だが、感染拡大前の令和元年5月と比べた場合は20%減とコロナ前には遠く及ばない。営業時間短縮や酒類提供の休止の影響が大きく、特に居酒屋は元年比約87%減と深刻だ。徐々に進んできたワクチン接種では供給不足も懸念され、感染力が強いインド由来の変異株「デルタ株」も拡大している。同協会担当者は「回復への出口は見えない」と漏らす。

短観では9月の先行きについては宿泊・飲食サービスでもマイナス47と6月に比べ27ポイント上昇し、光明もみえ始めた。とはいえ第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「ワクチン効果をいちずに期待し、地獄のような現状から抜け出したいとの願いも込められている」と指摘する。

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