路線価コロナで一転 観光地 復活兆し見えず

産経ニュース
コロナ禍のインバウンド減で路線価が大幅に下落した台東区浅草1丁目の雷門通り=東京都台東区(桐山弘太撮影)
コロナ禍のインバウンド減で路線価が大幅に下落した台東区浅草1丁目の雷門通り=東京都台東区(桐山弘太撮影)

訪日外国人客(インバウンド)の増加が牽引(けんいん)してきた全国の観光地での地価上昇は、新型コロナウイルスの感染拡大で一転し、1日公表の令和3年分路線価に影響を与えた。世界各国でワクチン接種が始まり、東京五輪・パラリンピックの開催が目前に迫るが、コロナ禍で大きな打撃を受けた観光地は復活の兆しが見えない。「世界中でコロナの状況が改善しない限り、インバウンド需要は回復しないのではないか」との声もあり、地価動向も不透明な状況が続きそうだ。

「売り上げはコロナの感染拡大前と比べて2割程度。いつ回復するのか全く予想もつかない」。東京・浅草の雷門通りで営業する和菓子店の関係者はため息を漏らした。

1年半前まで外国人客を含む多くの観光客でにぎわった雷門通り。観光客の増加に伴って周辺の地価も上がり、昨年1月時点の路線価は前年比33・9%も上昇した。しかし、コロナ禍以降は外国人客の姿はほとんどなく、今年は同11・9%の下落となった。

浅草を抱える台東区によると、平成30年に区内を訪れた外国人観光客は953万人だったが、昨年は145万人に減少したと推測される。地元の不動産鑑定士は「雷門周辺は観光客らを相手にした飲食店などが多く、コロナ禍で物件の需要は厳しい」と指摘する。

■ □ ■

日本を代表するリゾート地・沖縄県もコロナ禍で観光客が減って状況は一変した。直近2年は前年比40%前後の伸びを続けてきた那覇市最大の繁華街「国際通り」の路線価も、今年は同1・4%の下落となった。

国際通りで多数の物件を扱う不動産会社の担当者は「コロナ禍以降、国際通りも空き店舗が増えるなど厳しいが、沖縄はもともと国内客で観光が成り立っていた。インバウンドに頼った他の観光地よりも回復が早いのでは」と前を向く。

外国人スキー客に人気のリゾート地として高級コンドミニアムなどの開発が進む北海道ニセコエリア。倶知安(くっちゃん)町の「道道ニセコ高原比羅夫(ひらふ)線通り」の路線価は、昨年まで6年連続で上昇率全国1位だったが、今年は横ばいにとどまった。

同町によると、町内リゾート区域でのホテルやコンドミニアムなどの建築確認申請は昨年が53件で、令和元年の49件から微増した。同町観光商工課は「リーマンショック時のように建築が途中でストップするほどではない」とした。

不動産事情に詳しい「都市未来総合研究所」の大重直人主任研究員は「コロナ禍でインバウンドが減少したことが地価下落の大きな要因の一つ。海外から日本への投資意欲は今も大きく悲観する状況ではない。ただ、今後の地価動向もワクチン接種の効果などコロナ禍の状況に左右される部分が大きく、不透明感は拭えない」としている。

  1. 【安保法案特別委採決】辻元氏、涙声で「お願いだからやめて!」と絶叫 民主、プラカード掲げ抵抗

  2. 市から突然1300万円請求…なぜ? 年金生活の80代女性に 専門家「今後数年で同様の高額請求を受ける人は増える」

  3. 無免許当て逃げの木下都議、シャネルに「胸元ガバガバ」赤ワンピで登場の強メンタル

  4. 小泉進次郎氏「妻に申し訳ない」 クリステルさん名義の巨額資産公開で

  5. 巨人・小林“謎の昇格”にナイン「いよいよトレードだ」と惜別 捕手を4人体制とした原監督の真意は