【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】スタッフと感覚の相違が出始めて…“時代の空気を体現し始めた” - イザ!

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歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡

スタッフと感覚の相違が出始めて…“時代の空気を体現し始めた”

賞レースも露出を増やすチャンスだが…
賞レースも露出を増やすチャンスだが…

デビュー3年目を迎えた中森明菜は『北ウイング』『サザン・ウインド』の連続ヒットで、その人気は揺るぎのないものとなっていた。一方で時代の空気感を敏感に嗅ぎ取る明菜とスタッフの間で感覚の相違が出始めてきたという。

「デビュー以来、明菜を担当してきたディレクターだった島田(雄三)さんと意見が合わなくなってきたんです。ディレクターの考える企画が、そのまま通らなくなり始めた…というか」

というのは、ワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)邦楽宣伝課で明菜の担当プロモーターだった田中良明(現在は「沢里裕二」として作家活動)だ。

「楽曲にも変化が現れてきました。『北ウイング』『サザン・ウインド』とリゾート的な作品に『十戒』、そして『飾りじゃないのよ涙は』ですからね。明らかにデビュー当時…1982年から83年にかけての、ある意味でパターン化された作品とは異なり、多様性に満ちた作品へと変貌していきました。改めて振り返ると、明菜自身が楽曲制作に関わり出したことの証しだと思います。つまり、与えられた作品を単に“演じる“のではなく、明菜自身が“時代の空気を体現し始めた”のだと僕は理解しています。とにかく作品だけではなく衣装にも、自身のセンスを反映させ始めたのが、84年でした」

そういった流れは当然、プロモーション展開でも頭を悩ませることになった。

「当時は今のようにネットのない時代でしたからね、新曲を発売したら販促展開で発売記念のイベントやテレビ出演、全国ラジオ・キャンペーンでのオンエア強化、アイドル誌を中心とした雑誌での露出展開など地道なプロモーションの積み重ねが重要になるのです。ラジオの場合、電話リクエストやベストテン番組が多かったので露出展開として重要でした。なので電話出演なども積極的でしたね。一方、レコード発売記念イベントなどは、もうデビュー時のような稼働はできませんから、ポスターやポップ広告、グッズを作る手法となっていました。ただ一番神経を使ったのは雑誌かもしれません。とにかくインタビューは基本的にNGで、撮影も状況次第では断ることが多かったですね、テレビもワイドショーなどは敵視していた部分があったので、プロモーションとして考えることはありませんでした。いずれにしても彼女の場合、限られた中で動かざるを得なかったように記憶しています」

ワーナーのプロモーション戦略として最も力を入れたのが「賞レース」だったといわれる。

「レコード会社として実績が乏しかったので、明菜を前面に出すことで業界内での“存在“や"評価”を高めたかったのでしょう。賞レースで明菜の露出が高まれば、必然的にシングルやアルバムのセールスに結び付くので一石二鳥なんです」

と当時を知る音楽関係者はいうが、田中は明菜の心情について、「周囲から“ポスト百恵”といわれたときもそうでしたが、山口百恵さんや松田聖子さんと比較されることに明菜自身が違和感を覚えていたことは確かです。基本的に自分は自分という意識が強かったですからね、彼女の場合。ですから賞レースについては口に出しませんでした。他のアイドルは分かりませんが、明菜自身は比較されたり、競争したりといった意識はほとんど持ち合わしていなかったということです。おそらく賞レースをわれわれ以上に冷静に見ていて、実績と受賞は別だということを一番分かっていたんじゃないでしょうか。賞レースでわれわれが走り回る姿を見ながら、もしかしたら心の底では『賞レースはスタッフの頑張り』程度にしか思っていなかったかもしれませんね」。そして明菜にとっては、さらに大きな変革期が訪れようとしていた-。 =敬称略(芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)

■中森明菜(なかもり・あきな)

1965年7月13日生まれ、55歳。東京都出身。81年、日本テレビ系のオーディション番組『スター誕生!』で合格し、82年5月1日、シングル『スローモーション』でデビュー。『少女A』『禁区』『北ウイング』『飾りじゃないのよ涙は』『DESIRE-情熱-』などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には8回出場。85、86年には2年連続で日本レコード大賞を受賞している。

zakzak


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