エンゼルスの大谷翔平(26)は28日(日本時間29日)、敵地でのヤンキース戦に「2番・指名打者」で先発出場。1回の第1打席に26号先制ソロを右越えに放った。ニューヨーク初の一発で両リーグトップタイ。噂通りのパワーを見せつけられて、“ベーブ・ルースの建てた家”ヤンキースタジアムはどよめいた。
相手先発は右腕マイケル・キング(26)。内角低めのスライダーをタイミングよく強振。ライナー性の打球が、ルースが得意とした右翼ブリーチャー席に届いた。打球の速度は今季自己最速の117・2メートル(188・6キロ)、飛距離416フィート(約127メートル)だった。月間11本目となった。
常勝ヤンキースは今季、ア・リーグ東地区4位に低迷。「もしあの時、ヤンキースが大谷を獲得していたら」と悔やむニューヨークメディアの声が聞こえてくる。
2017年に大谷がメジャー移籍を決めた際、ヤンキースは獲得に強い興味を示したが、二刀流には消極的で、最終的に大谷はエンゼルスを選んだ。地元ニュースサイトのニュージャージー・コムは「ヤンキースは大谷を獲らなかったつけを支払わされている」とし次のように伝えた。
「当時はチームに金が潤沢にあり、市場に特別なフリーエージェントがいた。日本のベーブ・ルースといわれた大谷だ。ヤンキースは興味を抱き、入団の可能性の高いチームの1つといわれるまでになった。ところが、大谷は指導者不在、瀕死の状態のエンゼルスに行ってしまったのだ」
「彼は今季、本当にベーブ・ルースのような活躍を始めた。今年の大谷なら主軸を打ち、右翼が浅いヤンキースタジアムで本塁打を量産。投手としてはゲリット・コールに次ぐ先発2番手になっていただろう」
大谷は2年総額850万ドル(9億円)で今季年俸は300万ドル(3億2000万円)。ヤンキースは2017年暮れにジャンカルロ・スタントン外野手を獲得した。年俸2900万ドル(31億円)。今季、打率・268、13本塁打、37打点。
「どっちがすごいかは言うまでもない。『もしあの時、こうしていたら』という瞬間は限りなくあるものだが、ヤンキースが大谷を獲らなかったことによる『もし』はヤンキース史上でも最も大きな『もし』として残るだろう。ニューヨークではメッツのデグロム投手が最高のショーを見せているが、大谷がヤンキース入りしていれば、その役割を大谷が果たしていたかもしれない」
大谷が2023年シーズン終了後にフリーエージェントとなれば、10年3億ドル(320億円)との声もある。ヤンキースは惜しみなくこのカネを積んで獲得に動くだろう。