【産業医・シンコ先生に聞く テレワーク2年目の危機】テレワークの“デメリット” 仕事を覚えないうちに在宅勤務、オンラインでは質問するタイミングが難しい - イザ!

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産業医・シンコ先生に聞く テレワーク2年目の危機

テレワークの“デメリット” 仕事を覚えないうちに在宅勤務、オンラインでは質問するタイミングが難しい

 新型コロナの長期化は、企業のさまざまなシーンに変化をもたらしている。産業医として外資系企業などの社員のメンタルの相談に乗っているシンコ先生は「転職してすぐにテレワークになり、孤立している社員も少なくない」と明かす。

 コロナ禍で転職採用は止まっているかにみえるが、実際の転職市場は活況を呈している。ただ、その採用の仕方から転職後の働き方まで、コロナ前とは大きく変わった。この春、東京都内の外資系広告代理店日本支社に転職を果たした中田聡子さん(29)=仮名=の場合、対面の面接はなく、すべてオンラインで行われた。

 「Zoomで行われた1次面接は日本支社の日本人の人事部や担当部署の幹部によるものでした。前職の業務内容と今回の志望動機を聞かれました。それがパスすると、1週間ほどしてグローバル本社の米国人役員らによる最終面接でした。この面接では、自分は何がチャレンジできるかを質問されました」(中田さん)

 その結果、内定し、「4月からすぐに来てほしい」。しかし、思わぬ困難が待ち受けていた。

 「会社の上司や同僚とほとんど顔を合わせることなく、いきなりテレワークが始まりました。私の主な仕事は、クライアント企業の情報をメディアで掲載してもらうよう折衝することですが、クライアントさんやメディア関係者とも原則、オンラインでコンタクトするよう言われました。実際、どのようにして仕事を進めていいのか、上司らに対面で聞けず、4月、5月は混乱し、こんなはずではないとかなり落ち込みました」(中田さん)

 もう一人、シンコ先生が相談に乗った柏原恵子さん(36)=仮名=は都内の会社に転職して半年が経過したが、仕事を覚えないうちに在宅勤務となってしまった。

 「入社してすぐにテレワークになりました。業務内容や他部署とのコミュニケーションの取り方など右も左も分からない。仕事のことで質問したくても、上司や先輩は忙しそうで、オンラインでは質問するタイミングが難しい。質問して返信が来ないと、面倒な人と思われていないかなと不安になることもある。仕事ではやることがかなり多いが、要領を得ないため必要以上に時間がかかり、むだの多い毎日。たまの出社日には、在宅ではできない業務をまとめてこなすものの22時までに退社しないといけない決まりがあり、そこでも仕事が終わらず、強制終了して帰宅することが多く、転職後の仕事の悩みは深刻です」(柏原さん)

 シンコ先生は転職に伴うこうしたテレワークについて、「周囲に仕事のサポートをしてくれる人がいず、それが長期化し孤独になると、メンタル不調に陥る人が増えています。周囲の者、特に管理・監督者は普段以上にコミュニケーションを積極的にとる機会を設けるなどして信頼関係を構築したうえで、部下の異変に早く気づく必要があります」と提案する。

 一つの対策として、テレワークのメリットとデメリット(別表)を再認識することが大切だという。

 シンコ先生は「テレワークの良い点も改めて知ることでリラックスして、テレワークに臨めば、精神的に追い詰められることも減ることでしょう」とアドバイスする。 (取材・佐々木正志郎)

 ■テレワークのメリット

 □ワークライフバランスが整う

 □通勤時間の短縮

 □生産性の向上

 □仕事の満足度が上がりやすい

 ■デメリット   

 □仕事と家庭の境界線の曖昧さ

 □長時間労働になりがち

 □社会的孤立

 □機器類の不備

 ■矢島新子(やじま・しんこ) 産業医。山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表。パリ第一大学(ソルボンヌ)大学院、東京医科歯科大学大学院博士課程修了。著書に『ハイスペック女子の憂鬱』ほか。

zakzak

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