【ダンディーの極み ゲンスブールという男】初監督作が上映禁止になる異才ぶり 監督・脚本・音楽を担当『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』 - イザ!

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ダンディーの極み ゲンスブールという男

初監督作が上映禁止になる異才ぶり 監督・脚本・音楽を担当『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』

 セルジュ・ゲンスブールは映画に音楽を提供するだけでなく、自分で脚本も書き、監督もした。

 現在、4K完全無修正版が東京や大阪で公開中の『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1975年)はセルジュが監督・脚本・音楽を担当、ヒロインのジョニーは長年のパートナーになるイギリス出身の女優ジェーン・バーキンが演じた。

 同名の曲は、67年、当時不倫関係にあった女優ブリジット・バルドーとデュエットし、世界最高のラブソングになるはずだったが、発禁になってしまったといういわくつきのもの。

 映画もイギリスでは性表現のきわどさから上映禁止。日本でもすぐには公開されなかったほど。

 ゴミ回収をしている2人組の男たちとカフェで働くジョニーの物語。「人生はこの水と同じ、苦いものだ」だと男はつぶやく。詩人ならではのセリフである。

 スレンダーなジェーン・バーキンの裸体がおしげもなくスクリーンに大写しになる。バーキンは、自慢のロングヘアではなくショートヘアだが、実はウィッグ。言われなければ誰も気づかないだろう。魅力でもある長髪を封印してもなお、素顔で演じたバーキンは若さにあふれ、美しい。

 その後も『赤道』(83年)、『シャルロット・フォー・エヴァー』(86年)、『スタン・ザ・フラッシャー』(90年)を監督する。生涯で監督した映画は4作だが、そのすべての脚本をセルジュが執筆している。

 没後20年に製作されたジョアン・スファール監督の『ゲンスブールと女たち』(2010年)は少年時代からのセルジュの人生を描いている。

 人気女優ブリジット・バルドーを演じるのは、世界一のモデルといわれたレティスア・カスタ。夫とセルジュの間を揺れ動くバルドーが、時に涙ながらセルジュの両親に悩みを告白するシーンなどほほえましい。

 遺作となった1990年に監督した第4作目の『スタン・ザ・フラッシャー』。売れない脚本家が生活のために家庭教師をするが、教え子の美少女とのあらぬ妄想を繰り返すというもの。

 同作でデビューした美少女エロディ・ブシェーズは、98年に『天使が見た夢』(エリック・ゾンカ監督)でカンヌ国際映画祭女優賞を獲得している。セルジュがこの世を去って7年後のことである。彼の目は確かだ。 (小張アキコ)

 ■セルジュ・ゲンスブール 1928年4月2日~91年3月2日。享年62。死後はジャン=ポール・サルトル、シャルル・ボードレールなどの著名人が数多く眠るモンパルナス墓地に葬られた。今も墓碑を訪れる人が絶えない。

zakzak

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