【米中激突】米、対中ミサイル網構想 台湾は第1列島線上にある「戦略上の要石」 海軍の保有艦艇数や地理的条件では「中国優位」も - イザ!

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米中激突

米、対中ミサイル網構想 台湾は第1列島線上にある「戦略上の要石」 海軍の保有艦艇数や地理的条件では「中国優位」も

習近平国家主席率いる中国共産党政権が、台湾への軍事的威嚇を強めている。中国軍の戦闘機や爆撃機など計28機が15日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入したのだ。英国での主要7カ国(G7)首脳会議で、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が共同声明に明記されたが、中国は聞く耳を持たないのか。ジョー・バイデン米政権は「台湾重視」の姿勢を強調するが、海軍の保有艦艇数や地理的条件では「中国優位」も指摘される。こうしたなか、米軍は九州・沖縄から台湾、フィリピン、インドネシアを結ぶ「第1列島線」に、ミサイル網構築を想定する。拓殖大学海外事情研究所教授、川上高司氏の集中連載第3弾-。

米中激突の舞台は「台湾」となる。台湾の防衛は、バイデン政権にとって、2つの意味から重要な国益となる。

1つ目は、台湾が「半導体のサプライチェーンの要」であること。2020年に台湾で製造された半導体の輸出先は、中国・香港向けが61・3%で、米国向けはわずか1・3%という(NNAニュース)。問題は、米半導体大手「クアルコム」や、同「AMD」、同「エヌビディア」などの数多くの米国企業が、台湾企業に半導体の製造委託をしていることにある。

もし、台湾を中国に完全に獲られれば、米国にとってはピンチとなる。逆に、米国が台湾を押さえれば、中国を半導体で制することができる。

2つ目は、台湾は米軍にとって第1列島線上にある「戦略上の要石」である。中国が台湾を制覇すれば、中国海軍は第1列島線を突破して太平洋に自由に航行ができるようになる。

そうなると、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とする原子力空母「ロナルド・レーガン」にとっては、目の前に中国漁船や中国海警局船だけでなく、潜水艦が現れることとなり非常な脅威となる。米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)を母港とする強襲揚陸艦「アメリカ」にとっても、しかりである。日本にとっては日本全土が脅かされることとなる。

ここにきて、フィリップ・デビッドソン米インド太平洋軍司令官(海軍大将)は今年3月、上院軍事委員会の公聴会で、「中国が6年以内に、台湾に軍事侵攻する危険が迫っている」という衝撃的な証言をした。

◆中距離弾道ミサイル展開 中国1250発、米ゼロ

4月の日米首脳会談や、6月のG7首脳会議の共同声明では、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記された。

問題は、米国が相当の犠牲を払ってまで台湾を防衛するかに尽きる。

この点について、国防総省とランド研究所が昨年実施したという台湾をめぐる米中戦争のシミュレーションで、「おそらく、米国が負ける可能性が高い」(ナショナル・インタレスト、2020年8月6日)というショッキングな報告が出ている。<page/>

つまり、中国の急速な軍備強化に対し、米国だけでにらみを利かせるのは難しくなっている。このため、バイデン政権は、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」に加え、英国やフランス、ドイツという、北大西洋条約機構(NATO)の中核諸国にも支援を依頼し、中国を抑止する戦略をとる。

中国は、日本も射程に入れた地上配備型の中距離弾道ミサイルを1250発以上も展開しているが、米国はゼロである。

そこで、米国は2019年2月、中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を通告(同年8月2日失効)し、対中ミサイル網を築く方針だ。

前出のデビッドソン司令官は今年3月、上院軍事委員会公聴会で、南シナ海や台湾海峡で軍事的圧力を増す中国への抑止力強化のため、第1列島線に沿って「地上配備型ミサイル網を構築すべきだ」と強調した。

日本列島にもミサイル網が張りめぐらされれば、台湾への抑止効果が格段上がることとなる。

■川上高司(かわかみ・たかし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1955年、熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、中曽根世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書・共著に『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)、『2021年パワーポリテイクスの時代-日本の外交・安全保障をどう動かすか』(創成社)など。

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