【ドクター和のニッポン臨終図巻】作曲家・俳優の小林亜星さん 希望通り…見事な音楽人生 - イザ!

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ドクター和のニッポン臨終図巻

作曲家・俳優の小林亜星さん 希望通り…見事な音楽人生

小林亜星さん
小林亜星さん

 プロフィルを拝見していたら、「慶応大学医学部入学」とあり驚きました。お祖父さんが医者だったため、幼い頃より両親から「お前も医者になれ」と強く言われていたとか。

 しかし、高校時代にバンド活動に目覚めたことから音楽の道を諦めきれず、大学3年生のときに親には内緒で経済学部に転部をしたとのこと。医者の道に進まずに本当によかった! この人が医者になっていたら、『北の宿から』も『野に咲く花のように』も『この木なんの木』も存在していなかったかもしれない。そして、どんな医者よりもこの人は、多くの日本人の魂を癒やしてきたはずだから…。

 日本を代表する作曲家であり、俳優としても活躍した小林亜星さんが、5月30日に亡くなりました。享年88。死因は心不全との発表です。

 小林さんは、亡くなる前日まで、自宅でとてもお元気に過ごしていたといいます。5月30日の朝、ベッドから起きてトイレに行く途中で転倒。そのまま動けなくなり、緊急搬送されましたが意識が戻ることはなく、最愛の奥さまに見守られながら静かに旅立たれたそうです。

 高齢者の自宅での転倒は、深夜から早朝、起き上がってトイレに立つ途中で起きるケースがとても多いというデータがあります。立ち上がった瞬間に血圧が急低下し、ふらつきや立ちくらみを起こすのです。また、加齢とともに骨が弱くなっているため、そのまま骨折して入院となる場合もままあります。

 骨折して入院を2週間もすると、多くの高齢者が歩行困難になってしまいます。さらに、ずっと寝ていると認知機能も低下するため、「急に私のことがわからなくなった!」と慌ててご家族が相談に来られることも。退院後はそのまま介護施設に入所される人も、多くおられます。

 しかし、いくら気を付けていても、転倒をするときはしてしまうものなので、転倒骨折→入院→認知症が悪化→寝たきり→胃ろう、という老いの道のりは、誰もがどこかで、覚悟しておかなければなりません。ですから、転倒したその日に天に召された亜星さんは、実は稀なケースであり「ピンピンコロリ」とも言えるでしょう。

 2年前のインタビューで、「こんなに生きると思わなかったので、そろそろいいんじゃないか」「カミさんより早く死にたい。カミさんのほうが先に逝かれては弱っちゃうから。男の人は大体そうです」と語っていた亜星さん。まさにその希望通りの最期、8000曲を作った男の、見事な音楽人生でした

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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