【コロナ禍で脅かされた日本人の性】緊急事態宣言下、性暴力ではなく「性暴力の相談」が増加 自宅で過ごす時間が増え…ステイホームで逃げ場なくなる - イザ!

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コロナ禍で脅かされた日本人の性

緊急事態宣言下、性暴力ではなく「性暴力の相談」が増加 自宅で過ごす時間が増え…ステイホームで逃げ場なくなる

性暴力被害を防ぐための啓発イベントなども行われ、若者に呼びかけている(共同)
性暴力被害を防ぐための啓発イベントなども行われ、若者に呼びかけている(共同)

 「我々の調査では第一次緊急事態宣言下では、性暴力が増えたというより、性暴力の相談が増えたと認識しています。単純に暇な時間が増えると、私の経験上電話相談は増えます。過去の事例を遡(さかのぼ)っての相談もあります。テレビで『妊娠相談が増えた』『若者たちの性は大丈夫か?』と取り上げられた施設には一気に相談者が押し寄せましたが、同時期でも相談が減っている施設もありました」

 こう話すのは、医師で日本家族計画協会会長の北村邦夫氏。

 思いがけない妊娠に関する『にんしんSOS』へは全国一斉休校の影響もあってか相談が殺到したというが…。「妊娠して中絶したというデータが例年に比べて多いわけではなく、国内の2020年5~9月の時期の人工妊娠中絶件数と妊娠件数も減少。予期せぬ妊娠などによる中絶が増加したとは言い難い。調査結果でも、もともとセックスレスだった日本人のセックスに対する消極性は自粛下で加速しています」と北村氏。

 厚生労働省の研究事業の一環として実施した「新型コロナウイルス感染症が日本人の日常をどう変えたか」の分担研究(研究者・種部恭子日本産婦人科医会常務理事)では、予期せぬ妊娠や望まない性交に関する相談を受けている代表的な団体(10団体)に向けて調査を実施。2020年3~6月は前年同時期の月ごとの妊娠に関連する相談の件数は増加傾向であった。

 「妊娠不安」への相談団体の合計では、3・4月の相談件数が対前年同月比で約2割増。「養育不安」では、5・7月の相談件数が約3割増。他には、もともと暴力や貧困があり、家庭内に加害者がいる場合、在宅時間が長くなることでのDVの程度・頻度、性虐待の内容・頻度が増悪したケースが認められた。平常時から存在していたものが、コロナ禍の状況悪化で相談数の増加として顕性化した可能性がある。

 「自宅で過ごす時間が増えたことは確実に性生活を変えています。失業、休業、収入減は、暴力につながる要素です。さらに問題なのはステイホームで学校やネットカフェ、漫画喫茶といった逃げ場がなくなったこと。自宅に加害者がいた場合、相談件数が増えます。一方、相談さえできない人もいたはず。日本家族計画協会が行っている電話相談には、さほど深刻じゃない悩みで若い男性からの電話がしばしばあり、途中で切れることが目立っています。親が近くにきたから慌てて切り、掛け直してくるパータンです」(北村氏)

 同じ厚労省の特別研究の中で安達知子日本産婦人科医会常務理事らが、「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」(全国51施設)に対して、自粛・ステイホームなどに伴う性暴力の変化、DV等による性暴力被害の相談件数や状況を調査した結果では、性暴力被害者、強制性交等の新規性被害件数は前年とほぼ同数。外出先で起きる被害は減少し、DVやSNSを介した被害の増加が見られた。

 内閣府調査のDV相談件数がコロナ禍で1・5倍となったのとは異なる結果だが、相談内容やアクセス方法の差と考えられる。

 「今回のような自粛下では、相談の間口は多様な方が機能しやすいことがわかります。民間団体からメールやSNS等の対象者に働きかける相談窓口の活用、平常時からの連携が必要です。若年女性の貧困や生きづらさの解決、既存の母子保健や婦人保護事業、生活保護や生活福祉資金貸付等、セーフティーネットの利用促進と拡充および運用の柔軟化、これらの情報の周知と同行支援等により、妊娠不安や妊娠葛藤による出産の躊躇(ちゅうちょ)を抑止できる可能性があります」と北村氏は語る。 (取材・熊本美加)

zakzak

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