【ここまで進んだ最新治療】重症低血糖の救急処置に「点鼻薬」登場 意識がなく薬を吸い込むことができなくても、鼻の粘膜から吸収 - イザ!

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ここまで進んだ最新治療

重症低血糖の救急処置に「点鼻薬」登場 意識がなく薬を吸い込むことができなくても、鼻の粘膜から吸収

保険適用となった点鼻粉末剤(バクスミー)
保険適用となった点鼻粉末剤(バクスミー)

 糖尿病は3大合併症を防ぐためにも早期の治療が重要だが、薬物療法を開始すると「低血糖」という別の問題にも注意が必要になる。薬の量を間違えたり、食事の内容やタイミングが悪かったりすると、血糖値が下がり過ぎてしまうのだ。

 血糖値が50~70(mg/dl)まで低下すると、「冷や汗」「動悸(どうき)」「ふるえ」などの自律神経症状が前ぶれとして現れ、さらに低下すると意識を失う「昏睡(こんすい)」を起こす。前ぶれの時点で、速やかにブドウ糖を含む飲料やアメをとれば症状は回復するので問題ない。

 しかし、対応が遅れ昏睡を繰り返すと前ぶれの症状が出なくなり、突然、意識が遠のいたり、けいれんや昏睡を起こすようになる。こうなると自分でブドウ糖がとれないので、回復に他者の援助が必要になる。この状態を「重症低血糖」という。

 昨年10月に重症低血糖の救急処置に用いる点鼻粉末剤(商品名バクスミー)が発売され、公的医療保険で使えるようになっている。どんなときに使う薬なのか。東京都立多摩総合医療センター・内分泌代謝内科の辻野元祥部長が説明する。

 「重症低血糖の国内の致死率は約0・5%と報告されています。長時間の低血糖は脳にダメージを与えるので、命に別条はなくても認知機能障害が残る可能性があります。ですから病院への救急搬送が必要ですが、少しでも早く血糖を上げるため家族など周囲の人が血糖上昇ホルモンを注射する手段があります。しかし、注射は一般の人が冷静に対応するのはなかなか困難です。点鼻粉末剤は患者さんの鼻に噴霧するだけなので、誰でも簡単に対応できるのです」

 従来の注射剤の場合、「グルカゴン」という粉末薬が入ったビンに溶解用の生理食塩水を注入し、よく溶かしてから注射器で液を吸って、筋肉内に注射する手順になる。

 一方、点鼻粉末剤の有効成分も同じグルカゴン。ケースから点鼻容器を取り出し、鼻の穴に差し込んで注入ボタンを最後まで押し切るだけでいい。患者の意識がなく薬を吸い込むことができなくても、鼻の粘膜から吸収される。室温(30℃以下)で保存できること、サイズが小さく携帯しやすいことも利点だ。

 「グルカゴンの筋肉内注射(1ミリグラム)と点鼻粉末剤(3ミリグラム)は、ほとんど同じ速度で血糖を上昇させ、30分以内に血糖値を100以上まで上昇させます。救急搬送を要請し、実際に病院に到着するまでの間に意識を回復させる可能性が高いといえます」

 日本糖尿病学会の報告では、国内の重症低血糖の救急搬入例は年間約2万件と推計されている。家族に重症低血糖を起こした人がいれば、簡便な救急処置の薬があることを承知しておこう。(新井貴)

zakzak

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