「尾身提言」を事実上スルー 橋本聖子会長「上限1万人」強行も残るリスク 状況次第で「無観客」覚悟も - イザ!

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「尾身提言」を事実上スルー 橋本聖子会長「上限1万人」強行も残るリスク 状況次第で「無観客」覚悟も

東京五輪・パラリンピック開催に伴う提言を提出後、会見する尾身茂氏
東京五輪・パラリンピック開催に伴う提言を提出後、会見する尾身茂氏

東京五輪・パラリンピックの観客問題で、政府分科会の尾身茂会長ら有志は18日、政府や大会組織委員会に「無観客開催が望ましい」と提言した。大会組織委の橋本聖子会長は理解を示しつつも、21日に国際オリンピック委員会(IOC)などと開く5者協議で「上限1万人」を正式決定する方針だ。だが、今後感染再拡大も予想され、「有観客」の撤回を迫られるリスクも残る。

尾身氏は記者会見で、4月の大阪のような感染拡大が東京などで生じれば「五輪を続けるのが難しくなる」と懸念を表明。同席した専門家の一人は観客の上限について「1万人を想定するのは東京の状況を考えると厳しい」と述べた。

尾身氏は提言を作る過程で「当初、東京五輪開催の有無を含め検討してほしいという文言があった」とも明かしたが、菅義偉首相が主要7カ国(G7)首脳会議で五輪開催を表明したため削除したという。

橋本会長は18日の記者会見で「組織委がこれまで熟慮を重ねてきた内容とかみ合っていた」と評価しつつも、観客上限は定員の50%以内、最大1万人とする政府方針を踏襲する方針を譲らず、尾身氏らの提言を事実上、受け流した。

菅首相が提言前日の17日、「機先を制して」(政府筋)有観客での開催案を示したことが既成事実化し、提言のインパクトも限定的だった。ある専門家は「分科会で提言を出させないような圧力が政府側からあった」とも述べる。

骨抜きにされた感もある尾身提言だが、有観客で開催する場合も他の大規模イベントの基準よりも厳しい上限を設け、開催地に住んでいる人に限るべきだとするなど、耳を傾けるべき点も多い。

京大の西浦博教授らの研究チームは、ワクチン接種が進んでも東京で8月上旬に重症者用の病床使用率が70%を超え、緊急事態宣言が不可避の状態になるとの試算を発表した。

東京大の仲田泰祐准教授ら研究チームは、最悪のシナリオでも東京での再発令は9月第2週に持ち越されると試算するなど、専門家の見解も分かれている。

橋本氏は、緊急事態宣言など「状況が変わっていくときには無観客も覚悟しておかなければならない」と述べた。開幕まで1カ月余りの感染状況次第では、葬ったはずの「無観客」が息を吹き返すことになりかねない。

zakzak


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