【ぴいぷる】葉っぱの切り絵アーティスト・リト@葉っぱ切り絵 コンプレックスは克服するのではなく 生かして切り抜ける - イザ!

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葉っぱの切り絵アーティスト・リト@葉っぱ切り絵 コンプレックスは克服するのではなく 生かして切り抜ける

 葉っぱに切り絵を施すアーティスト。ユーモラスで躍動感あふれる動物たちを主人公にした初の作品集『いつでも君のそばにいる』(講談社)には、「癒される」「精巧すぎる」「動物たちの楽しいおしゃべりが聞こえてきそう」という反応が多い。

 「本の表紙に選んだ『葉っぱのアクアリウム』は、ジンベイザメなどの魚たちが葉っぱの中の水族館を美しく回遊します。僕にとって記念碑的作品で、きれいな葉と切り絵のバランス、バックの空の自然などすべてがうまくいきました。葉っぱ切り絵を始めて半年は芽が出なかったのですが、この反響が高く、フォロワー数も4倍に増えました」

 作品1つひとつにストーリーを書き下ろしている。ヒツジが主人公の「モコモコポップコーン」は、子供時代に行ったディズニーランドの思い出から生まれた。

 「下書きから撮影まで5~6時間。イメージができたら画用紙に下絵を描き、手持ちの葉から合うものを選びます」

 使うのは椿やサンゴジュなど大きめで厚みがあって堅いもの。自宅近くの公園で探すことが多い。

 「当初は葉の保存技術を知らなくて、時間が経つと乾燥、変色しました」

 あるとき、欧州のフォロワーがドライリーフの方法を教えてくれた。現在はグリセリンから作ったドライリーフ液に漬け、天日で乾かした葉を使っている。

 「枯れる前に作業する心配もなくなり、時間をかけてより細かい作品ができるようになりました」

 葉の形によって、「スペースがないからネズミがいい」とか、「タテに長いスペースがあるならキリンもイケるな」など別のアイデアも生まれてくる。

 「ロバの上に動物たちが乗る『ブレーメンの音楽隊』も、余ったスペースを音符でつなげることができるかなって思いました。こういう遊び心も、腕の見せどころなんです」

 下書きに沿って、4ミリ刃のナイフで葉の内側の部分から切り抜く。切るというより、垂直に上から打ち込む感じ。

 「葉の真ん中の太い葉脈は残します。それで本物の葉っぱを使っていることがわかるんです。完成後、片手で持って空にかざして写真を撮りますが、葉脈がないと曲がってしまいます。青空をバックにするのは、奥行きが出て葉の緑も映えるから。日没までに撮らなければならないので、自宅近くの公園が多いですね」

 大学卒業後、食品会社などで約10年のサラリーマン生活。上司から怒られてばかりだった。

 「よく言われたのが、『お前の仕事はばか丁寧すぎる』というもの。1つのことをすると、周りが見えなくなるほど没頭して、何をやっても遅くなるんです。考えてみたら、子供時代、食事中に魚の骨を取るのに集中しすぎて、親から『みそ汁が冷める』って叱られてましたね」

 2度転職。「なぜこんなに仕事ができないのか」と落ち込む日々が続いた。

 「同じことで悩む人がいるのでは、とスマホで検索したら、発達障害の1つとされるADHD(注意欠陥多動性障害)にたどり着きました。すぐ病院で診察を受けました。これで辞める口実ができたと思いましたね」

 苦手なことを克服するのはやめて、集中力を生かせる分野はないのか調べた。そして、スクラッチアート、紙の切り絵、粘土などに挑戦した。

 「1日中、細かいことに集中できるという意味では、絵よりも切り絵の方が向いていると思いました。ただ、紙の切り絵は競争相手も多く、10年やった人には全然かなわなかったですね」

 何か違うことをしようと思っていたときに、スペインの作家の葉っぱ切り絵に出合う。面白いかも、と試しにやってみた。

 「最初の作品はロボットがジョウロで芽に水をあげているもの。うまくいかず、悔しかったですね。続いてトトロの猫バスを作ったら、意外とイケるぞと思って」

 長く集中でき、細かいところにこだわりすぎる自分の特性が、作品にも反映されることを実感した。サラリーマン時代はみんなと同じことができないコンプレックスがあった。しかし、創作は人と違うことが尊重される。

 「絵心もない自分でも、これだけ変わったと証明できれば、ADHDで悩んでいる方たちの道筋にもなるんじゃないでしょうか。『夜寝る前に作品を見るのが楽しみ』『朝起きたときに作品が上がっているとホッとする』というフォロワーさんたちの声で、何とか続けられています。何といっても、怒られる心配がないのがいいですね」(ペン・鈴木恭平/カメラ・納冨康/レイアウト・東真理子)

 ■リト@葉っぱ切り絵(りとあっとはっぱきりえ) 1986年7月14日、横浜市生まれ。34歳。約10年のサラリーマン生活を経て、葉っぱ切り絵アーティストに。2020年1月から独学で制作を始め、インスタグラム、ツイッターに毎日のように投稿する。作品は米国や欧州、中東、東南アジアのネットメディアでも紹介されている。「リトというのは、オンラインでゲームをしていたときのハンドルネーム。こんなふうに活動するとは思っていなかった時代に適当につけた名前なんです」

zakzak


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