【ドクター和のニッポン臨終図巻】漫画家・富永一朗 糖尿病と共存し大往生 - イザ!

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ドクター和のニッポン臨終図巻

漫画家・富永一朗 糖尿病と共存し大往生

死去した富永一朗さん(共同)
死去した富永一朗さん(共同)

 若い人はご存じないかもしれませんが、『お笑いマンガ道場』という、マンガ大喜利みたいなことをやる実にけったいな番組が昔ありました(1976~94)。当時、この番組のマドンナ的存在だった川島なお美さんがとてつもなく可愛かったため見るようになったのですが……ベテラン漫画家のおふたり、鈴木義司さんと富永一朗さんが、即興で描くマンガを通して、丁々発止とお互いをけなし合う演出がクセになる面白さで、毎回腹を抱えて笑っていました。

 時は過ぎて、鈴木義司さんが2004年に75歳で亡くなり、川島なお美さんが15年に54歳で亡くなり、とうとうこの人、富永一朗さんが、今年5月5日に都内の自宅で死去されました。享年96。死因は、老衰との発表です。

 『お笑いマンガ道場』に出演されていた頃の富永さんは、ライバルの鈴木さんに、オバケナマコやオオサンショウウオの絵にデフォルメされていたほど、丸々と恰幅(かつぷく)のいい体形でした。

 しかし、還暦を過ぎてから2型糖尿病と診断。そこから、「まだまだ漫画を描き続けたい!」という思いから、徹底した食事療法を続け、糖尿病を改善させ、メタボ腹ともオサラバ。自ら「健康じいさん」と名乗り、『我が愛すべき糖尿病』という本まで出版されています。本の帯には、「糖尿病でインポになるはウソ」とあり、お色気マンガが得意だった富永さんらしいものでした。

 富永さんがそうであったように、生活習慣病である糖尿病は、還暦から気をつけたい病気の一つ。食生活を改善し、悪化させないことが大切です。そして、とにかく運動すること。僕は、「1日30分歩いてください」と毎日アドバイスしています。

 糖尿病の人は、特に食後に歩くことで血糖値が下がるだけでなく、インスリンの感受性が高まります。内臓脂肪を減らすことで死亡リスクも減ります。

 糖尿病が持続すると、全身の血管に動脈硬化がおこり様々な合併症がおこります。そのため、糖尿病の人はそうでない人に比べ、5年近く寿命が短いというデータもあります。

 しかし、富永さんは糖尿病と35年以上共存し、96歳の大往生。奥さんは20年前に亡くなっており、一人暮らしだったといいますから、自分で健康管理ができていたということでしょう。健康な人より、一つくらい持病がある人のほうが、健康に気を遣うためかえって長生きする……富永さんの生き方は、まさに「一病息災」でした。今頃、天国で『お笑いマンガ道場』が始まったところでしょうか。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

zakzak

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