【定年後・自走人生のススメ】「創業支援等措置」で企業と対等な関係 「雇われていた従業員時代」とは違う感覚 - イザ!

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定年後・自走人生のススメ

「創業支援等措置」で企業と対等な関係 「雇われていた従業員時代」とは違う感覚

 個人事業主のAさんのもとに、B社から「発注書」が届いた。「新製品発売に伴う販売店指導に使用する『事務マニュアル』の作成を発注します」と書いてあった。新製品の発売が相次いだので、今月はこれで4件目になり、4月以降の累計発注はもう6件を超えることになる。「少し負担が重い」と感じたAさんは、B社と取り交わした「業務委託契約書」を読み返してみた。

 そこには、「創業支援等措置にもとづくマニュアルなどの作成業務については、1年で6件以上12件以内かつ1カ月あたり3件を超えない頻度で発注する」と記してあった。Aさんは、今回の発注については、「頻度が契約上超過にあたる」ことと「業務が多忙である」ことを理由に、B社に断りの回答をした。

 実は、AさんはB社の「元従業員」で、B社を65歳で退職した後に「事務マニュアル作成業務」を請負う個人事業主として働いている。B社が改正高年齢者雇用安定法への対応策として導入した「創業支援等措置」に応募して、B社と業務委託契約を結んだのだ。

 契約上は、発注者と受注者は対等な関係だから、Aさんは契約に則した上で、仕事の繁閑や健康状態を考えて、受注したり断ったりできるのだ。「雇われていた従業員時代」とは違う感覚だ。

 これらはすべてフィクションであるが、今年4月スタートの改正法に対応した制度(措置)が、各企業で導入されれば、Aさんのような「働き方」の実例が登場してくるのだろう。

 今回の法改正で設定された「創業支援等措置」は、「雇用」でない関係で働き続けることを支援するのが特徴である。労働基準法などの労働関係法令が適用される従業員に対する企業の責任は問いやすいが、業務委託先の個人事業主となるとそうはいかない。

 だから、個人事業主として独立する道を選んだ元従業員が、「少なくとも70歳までは仕事を確保できる」ことや「個人受注事業者が“弱者”となり不利にならないように」することが大切である。だから改正法では、企業が「創業支援等措置」を導入するには、「創業支援等措置の実施に関する計画」を作成した上で、従業員代表(労働組合など)の同意を得る必要がある。

 「継続雇用制度」を選択して65歳以降も現在の会社で働き続ける者と比べて、できるだけ格差が生じないようにという配慮があるのだろう。実際に、「創業支援等措置の実施に関する計画の記載例等について」(厚生労働省HP掲載パンフレット)をみると、かなり細かく具体的に要件が定められている=図参照。私たちが個人の立場でみても、「個人事業主になって会社と関係を保つ」というイメージがよく理解できる。

 ■定年後研究所

 日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指す中高年会社員を応援。中高年会社員向け学習システム『キャリア羅針盤』を開発中。(https://www.teinengo-lab.or.jp)

 ■得丸英司(とくまる・えいじ) 1957年生まれ。大手生命保険会社で25年間コンサルティング業務に従事。星和ビジネスリンク専務執行役員、日本FP協会常務理事(現特別顧問)慶應義塾大学講師などを歴任。定年後研究所初代所長を務める(現特任研究員)。著書に「定年後のつくり方」(廣済堂新書)。

zakzak

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