岸信夫防衛相は17日、欧州連合(EU)欧州議会が開いた「安全保障・防衛小委員会」でオンライン講演し、米中対立の象徴の一つとされる台湾問題をめぐり、中国が軍事力の強化を急速に進め、中台の軍事不均衡が拡大していると懸念を示した。先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明に台湾問題が盛り込まれたことにも触れ、台湾情勢の安定は日本の安全保障や国際社会の安定にとって重要だと訴えた。
小委員会に日本の防衛相が参加するのは初めて。EUが9月に策定予定のインド太平洋戦略に向けて、講演を要請した。
岸氏は講演で、中国と台湾の両岸問題が対話により平和的に解決されることに期待感を示した。「台湾は日本と基本的価値を共有する極めて重要なパートナーであり友人だ」とも紹介した。中国をめぐり岸氏は、中国が海警局に武器使用を認めた海警法についても懸念を表明した。