【今から始めよう!70代まで働く健康術】直腸がんの術後回復「仕事で外出」のメリット 東邦大学医療センター大橋病院外科・斉田芳久主任教授が説く - イザ!

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直腸がんの術後回復「仕事で外出」のメリット 東邦大学医療センター大橋病院外科・斉田芳久主任教授が説く

東邦大学医療センター大橋病院外科の斉田芳久主任教授
東邦大学医療センター大橋病院外科の斉田芳久主任教授

 進行がん治療は副作用が伴うことが多く、治療法や期間にもよるが、体調不良に陥ることがある。このため最近ではテレワークを活用し、仕事との両立に取り組んでいる人もいる。通勤せずに自宅で仕事ができるため、体調不良をカバーしながら取り組める利点がある。ところが、直腸がんの場合、テレワークが必ずしも良いことばかりにはならないという。

 「直腸がんの手術後は、トイレが近くなりやすいのですが、仕事で外出すると治りが早い傾向が見られます。抗がん剤の副作用ではテレワークはメリットがありますが、体力の回復や機能回復などを考える上では、外出した方がよいのです」

 こう話すのは東邦大学医療センター大橋病院外科の斉田芳久主任教授。患者の身体への負担が少ない治療を追求し、さまざまな取り組みを行っている。

 たとえば、直腸がんの機能温存。直腸は肛門につながるゆえに、肛門に近いところにがんが生じると、直腸と一緒に肛門も切除して人工肛門にならざるをえない。しかし、近年、肛門括約筋を温存できる技術の向上で、肛門を温存できるケースが増えた。東邦大学医療センター大橋病院では、直腸がんの約9割は肛門温存を実現している。

 「直腸は便をためるところなので、直腸がんの手術で切除した後は、しばらくの間、トイレが近くなります。緊張すると大腸の動きが止まるので、仕事などで外出すると、トイレが近い状態が改善しやすいのです」

 大腸の動きは、副交感神経に支配されているため、リラックスして副交感神経が優位になると、トイレに行きたくなりやすい。反対に、仕事などで外出するときには交感神経が優位になるため、大腸の動きが鈍くなり、トイレのことも忘れてしまうこともあるという。つまり、テレワークでは排便機能が元に戻りにくい状態が生じる。

 「術後の体力も、外出によって早く回復します。もちろん、抗がん剤や分子標的薬の副作用があるときには、テレワークが便利です。でも、テレワークが全て良いかというと、そうでもないのです。進行がんの患者さんにとって、仕事と治療の両立はたいへんだと思います」

 厚労省は、がん治療と仕事の両立を推進するため、環境整備や支援事業の後押しをしている。だが、コロナ禍で業績が落ちた企業もあるだろう。仕事を続けたくても続けられない状況がある。

 「大企業であれば、有給休暇を使って治療のためにある程度は休めるでしょう。しかし、中小企業では難しい。そのサポートを国や自治体の施策で行わないと、進行がんでの両立は、患者さんにとって厳しいものになると思っています」

 さらなる施策が求められているといえよう。次週は、最新の大腸がん治療・研究について紹介する。 (安達純子)


 ■がん治療が始まる前、会社に確認すべきポイント

 □就業規則(休職の期間や期間中の給与の条件など)

 □時短制度、フレックス勤務の有無

 □辞めると失ってしまう権利の有無(会社に属していることで、加入の保険組合独自の高額療養制度や傷病手当金の付加給付制度が設けられている場合がある)

 □相談可能な産業保健スタッフの有無

 ※厚労省資料から抜粋

zakzak


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