語り部バスで震災伝承、宮城・南三陸のホテル女将「歩み止めない」(1/2ページ) - イザ!

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語り部バスで震災伝承、宮城・南三陸のホテル女将「歩み止めない」

産経ニュース
南三陸ホテル観洋の女将の阿部憲子さん=宮城県南三陸町(納冨康撮影)
南三陸ホテル観洋の女将の阿部憲子さん=宮城県南三陸町(納冨康撮影)

東日本大震災で830人を超える死者・行方不明者を出した宮城県南三陸町。震災から11年目となった被災地で、これまでも、そして、これからも伝承活動に力を注ぐホテルがある。約50年前に創業した同町の「南三陸ホテル観洋」の女将(おかみ)、阿部憲子さん(59)は、スタッフによる「語り部バス」の運行など震災伝承に奔走してきた。「(震災伝承の)歩みを止めない」。阿部さんは何度もこの言葉を繰り返した。(塔野岡剛)

震災時、津波はホテルの2階部分にまで到達。宿泊客と従業員は高台の保育園に避難させた。昭和35年のチリ地震津波を教訓に、岩盤が強固な場所にホテルを建てたため建物の損壊はほとんどなかったが、町は津波で壊滅的な被害を受けた。地元の食材にこだわるなど地域に密着してきたホテルとして、「震災伝承」という新たな使命に突き動かされた。

阿部さんは震災からしばらくして、スタッフが語り部となって町を案内する語り部バスの運行を始めた。これまで延べ40万人以上の乗客に、震災の記憶をありのままに伝えてきた。

「先々が大事だから、その時うっかり気持ちが緩んでしまうと、その先々が落ち込んでしまう。すぐに歩みを止めてはいけない」。平成29年からは全国の災害被災地の語り部が集まり、伝承の在り方を話し合う「語り部フォーラム」も開催している。

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復興工事が進み、町並みも時を追うごとに目まぐるしく変わった。阿部さんも「10年が過ぎると、〝区切り〟という意識が生まれることは、早いうちから想像していた」という。震災の話を聞かずに町を眺めると「大したことはなかったんじゃないか」と思う人もいるかもしれない-。そんな思いを抱く阿部さんは、津波の脅威を伝える震災遺構の保存が大切だと考えている。

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