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南方熊楠のメモ「腹稿」とは

産経ニュース
細かい字や線がびっしりと書かれた南方熊楠の腹稿=和歌山県田辺市の南方熊楠顕彰館
細かい字や線がびっしりと書かれた南方熊楠の腹稿=和歌山県田辺市の南方熊楠顕彰館

世界的な博物学者、南方(みなかた)熊楠(くまぐす)(1867~1941年)が縦横無尽に書いたメモにあたる「腹稿(ふっこう)」を集めた特別企画展が3月20日から5月5日まで、人生後半を過ごした田辺市の南方熊楠顕彰館で開かれた。論文の構想となる「メモ書き」を集めた企画展で、同館館長で龍谷大の松居竜五教授(比較文学)によると、「腹稿」を中心にした展示会開催は初めてだったという。

「メモ書き」を集めた展示会が成立すること自体珍しいが、「腹稿」という言葉も耳慣れない。広辞苑によると、「詩文の草稿を心中に組み立てること。また、その草稿」とある。心の中で構想を練ることのようだが、熊楠の場合、論文執筆にあたって記した自筆のメモ書きがこう呼ばれている。松居教授は「中国の古い言葉で、現在はほとんど使われていないが、熊楠には使う」という。

特別企画展では熊楠の腹稿8枚を展示。大きな紙に、びっしりと小さい字や線が書き込まれていた。

松居教授によると、腹稿は100枚以上あることが確認されており、和書や中国書、洋書という古今東西の文書で得た知識を熊楠が頭の中で整理して書き、それらのつながり具合が読み取れるという。

顕彰館には、その腹稿のほとんどが所蔵されており、特別企画展が終わった現在、熊楠の膨大な資料とともに保管されている。

内容が専門的なうえに崩し字で書かれていて素人には正直、とっつきにくいが、顕彰館の学術研究員、土永(どえい)知子さんは「熊楠の論文は難しく、腹稿は論文理解の助けになる」と説明する。

展示された8枚の腹稿は、熊楠が田辺市に移住して以降のもので、地元の新聞社が片面だけ印刷した新聞紙の裏側を使って書かれているという。新聞紙は大きく、一覧性に優れていたことから、書物で得た情報を並べるには適していたとみられる。

熊楠は腹稿をもとに数多くの日本語論文を執筆。松居教授は「熊楠の頭の中にはデータベースのように膨大な情報があった。腹稿は、それらをつなげたり、組み替えたりしており、熊楠の思考がわかってくる」と分析する。

顕彰館が所蔵する貴重な腹稿は同館のホームページで公開が検討されている。ていねいな解説を期待したい。(張英壽)

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