ロート製薬は8日、痔の治療薬「ボラギノール」を手掛ける天藤製薬(大阪府豊中市)を買収すると発表した。創業家などから全株式の3分の2超を取得する。買収額は90億円程度とみられる。買収により主力の一般用医薬品(大衆薬)の商品拡充につなげる。8月31日までの手続き完了を目指す。
天藤製薬は大正10年に天藤薬化学研究所として設立。同年に発売したボラギノールは、日本で痔の治療薬の先駆けとなった。令和3年3月期の売上高は58億円。今後はロートの販売網を通じて同社製品の海外展開も進める。
ロートは目薬などの大衆薬や化粧品が主力。今後も大衆薬で安定的な利益を確保しつつ、再生医療など成長分野への投資につなげる方針だ。