【主張】池田小事件20年 反省が生かされていない - イザ!

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池田小事件20年 反省が生かされていない

産経ニュース

8日で20年となる。社会は事件の反省を生かしたか。悲しいかな、そうはいえない。

平成13年6月8日、大阪教育大付属池田小学校に男が包丁を持って侵入して児童らを次々刺し、2年生の女児7人と1年生の男児1人を殺害した。犠牲者全員が幼い子供であるという、到底許しがたい凶行だった。

男は事件の2年前、当時勤務していた兵庫県内の小学校で教諭に薬物入りの茶を飲ませたとして傷害容疑で逮捕されたが、「精神安定剤依存症」と診断されて起訴猶予となり、精神保健福祉法に基づく措置入院となった。あげくの無差別大量殺傷事件である。

男に死刑判決を言い渡した大阪地裁の裁判長は、こう述べた。

「子供たちの被害が不可避であったはずはない、との思いを禁じ得なかった。せめて、二度とこのような悲しい出来事が起きないよう、再発防止のための真剣な取り組みが社会全体でなされることを願ってやまない」

裁判長の願いもむなしく、再発防止策は手つかずのまま、28年7月には相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が元職員の男に殺害された。これもまた、措置入院からの退院後に及んだ犯行だった。

当時の安倍晋三首相は事件を受け、「断じて許せない。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止策をしっかりと講じる」と述べた。

だがこうした法改正には野党や医療関係者から「治安維持の道具にするな」「監視の強化になる」といった反発が強く、退院後の支援計画に警察も参加するといった抜本的な改正には至らない。池田小事件の後悔は、20年の歳月を経て放置されたままである。

茨城県境町の一家4人殺傷事件で逮捕された容疑者は、16歳の時に連続通り魔事件を起こしていたが、刑事罰を受けずに保護処分となり、医療少年院に送致された。そして医療少年院を出所した翌年に再び凶行に及んだ。

措置入院、医療少年院は治療、更生を旨とする。刑事司法と隔て、その間に立ちはだかる高い壁は「人権」である。加害者に人権があるのは当然としても、被害者のそれとあまりにバランスを欠いていないか。池田小事件20年を機に、社会で再考したい。

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