【大腸がんAI検査最前線】シニア記者の内視鏡検査体験記 熟練医師がAIにがん診断を“指導”し共存 - イザ!

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大腸がんAI検査最前線

シニア記者の内視鏡検査体験記 熟練医師がAIにがん診断を“指導”し共存

モニターを見ながら最新の注意をはらって検査する工藤医師
モニターを見ながら最新の注意をはらって検査する工藤医師

 内視鏡検査で“神の手”とも称される、昭和大学横浜市北部病院の工藤進英・消化器センター長による大腸内視鏡の検査がいよいよ始まる。がんの好発年齢に突入したシニア記者の体験記を昨日に続いて-。

 5月25日午前10時、2リットルの下剤を徐々に飲み始めた。下剤で大腸の中をきれいにする必要があるが、すんなり「出る」人もいれば、そうでない人もいる。途中、水下痢の状態を経て最後は透明になるまで、ひたすら「出して」いく。

 15回分のチェックシートがあって、便の状態の変化を記入した。午後3時すぎ内視鏡検査に移った。

 内視鏡センターのフロアで、看護師から痛み止めの鎮痛剤を点滴で受ける。点滴の容器がぶら下がる稼働式スタンドを押しながら、検査室へ。ベッドに横になると、人さし指に酸素飽和度を計るパルスオキシメーターのクリップ、手首近くに血圧を常時図るバンドが付けられた。まるで重大な疾患の手術するような本格的なセッティングだ。

 コロナ禍の検査ということで、助手の医師や看護師もゴーグルや薄手のガウンを着ている。私もマスクをしながらの検査となった。

 薄暗くなった検査室にやがて工藤医師が登場、「工藤です。これから始めますよ」とひと言。最初の数分は覚えていたが、その後、鎮痛剤で眠ってしまった。次に気が付くと、休憩する大部屋のベッドの上に寝ていた。

 事前の問診で「ポリープがあったら取りますか?」と言われ、「はい」と答え同意書にサインしていた。看護師に聞くと、「ポリープはなかったようです」とのこと。検査中、〈AIはどのように稼働したのか〉と思いが浮かんだ。「EndoBRAIN」(エンドブレイン)という、AIが大腸内視鏡画像の診断支援するソフトウエアのことである。

 数日後、工藤医師のスタッフに尋ねると、「工藤医師は、発見においてはAIの能力を超える熟練医師ですので、今回はAIのソフトは使っていません」という。

 なるほど、AIに機械学習させるための画像は、工藤医師ら熟練の医師が、がん診断で判定したものを読み込ませていたのだから、そう言われて納得。

 将棋やチェスの「人間vsAI」という対決の場では、AIは敵のようにみえる。だが、医療の世界では、ソフトづくりの段階では医師が教師でAIは生徒の関係になり、ソフトが完成すると、今度はAIが医師をサポート、共存しているのだ。

 「経験の浅い医師には、このAIは極めて有効です。ただし、がんの診断を最終的にするのは人間の医師の判断になります」と工藤医師。

 恥ずかしながら検査の際、ロッカールームで着替えたサウナパンツのような大きな検査着を後ろ前にはいてしまった。“社会の窓”のような開放部分を前にはいてしまい、看護師さんから「後ろと前、反対です」と指摘され、あわててはきなおした次第。お尻の方を開けておかないと、検査はできない…。

 今回の検査結果は、6月以降、次の外来で説明されるという。 (取材・佐々木正志郎)

 ■工藤進英(くどう・しんえい) 1973年、新潟大学医学部卒。秋田赤十字病院外科部長・胃腸センター長を経て2000年昭和大学医学部教授に就任。同大横浜市北部病院副院長(兼任)などを歴任し、現在、同大国際消化器内視鏡研修センター長・特任教授。上海復旦大学附属華東医院終身名誉教授。

zakzak

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