東証一極集中という「旧石器時代」に挑む私設取引所の現実

産経ニュース

背景には証券会社の最良執行方針がある。各社は投資家の注文に対し、価格やコスト、スピードなど最も条件のいい市場で売買するとされている。しかし、判断基準は各社に任されており、大手証券はPTSを積極的に利用していない実態がある。

そこで金融庁は昨年12月、最良執行に関する審議会を立ち上げた。参加したPTS2社は最良執行について「形式的なものが多いため、結果的に東証に発注してしまうケースが多い」などと問題点を挙げた。金融庁は議論を踏まえて6月、個人投資家の売買では株価を重視した最良執行方針に変更するよう促す報告書をまとめた。

SBIに警戒感

それでも証券業界は慎重姿勢を保っている。

日本証券業協会の鈴木茂晴会長(大和証券グループ本社名誉顧問)は1月の会見で、最良執行に問題があるとしつつも「米国とは環境がかなり違い、同じように日本にあてはまるとは思っていない」「各社がさまざまな要素を総合的に勘案しており、海外と同じではない」と言及。市場関係者の意見を踏まえて検討するよう求めた。

実際に証券会社の関係者は「PTSは取引高が少なく、価格の流動性がない。投資家は流動性がある方を向いている」とする。一方で、PTSの存在意義は多くが認めており、JPXとの連携に期待する声もある。

JPX側はどう見ているのか。清田瞭(あきら)最高経営責任者(CEO)は「PTSに対して何らかの形で圧迫しようとかはない」と強調。その上で「東証はグローバルに戦っているのであって、PTSや地方取引所と戦っているわけではない」と距離を置く。

対する北尾氏は独自に大阪・神戸で国際金融都市構想を進めており、ODXとSBIが出資する大阪堂島商品取引所を中核としている。大阪府では吉村洋文知事を口説いて構想を進めており、行政や地元経済団体でつくる推進組織の中で、今後の取り組み方針のたたき台の文言に「私設取引所の育成」を盛り込ませた。

ただ、SBIが国際金融都市構想だけでなく、PTSの議論でも存在感を強めることには警戒感が根強い。証券業界からは「1企業だけでつくるのは難しい」という声が上がり、「政府のお墨付きが得られるかが重要」としている。昨年の東証のトラブル以降も、目立ってPTSのシェアが伸びているとはいえない状況なだけに、「投資家の注目も一過性に終わるかもしれない」という懸念が出ている。(岡本祐大)

  1. 1年間に売れた韓国車は1台!?日本車シェアほぼ100% 知られざる親日国パキスタンの素顔

  2. 「鎌倉殿の13人」5月29日OA第21話あらすじ 義経を失った奥州に攻め込む頼朝、上洛に向けて動き出し…

  3. 「ちむどんどん」第8週でついに宮沢氷魚登場!本田博太郎らの姿にも「約束された面白さ」「もう傑作ドラマ」の声

  4. 「なんてバカなくそ野郎だ」 バイデン大統領が記者に暴言

  5. 〝忘恩の国〟韓国に尋常でない米国の怒り、国営放送で政権の本音が 「対露制裁」は口だけ、国民にウソがバレそうになり慌てた文政権