【大腸がんAI検査最前線】一見ポリープ→浸潤がんと診断→早期に手術し完治 - イザ!

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大腸がんAI検査最前線

一見ポリープ→浸潤がんと診断→早期に手術し完治

大腸がん画像
大腸がん画像

「一見、普通のポリープですが、内視鏡に搭載されたAI(人工知能)はすぐさま反応し、陥凹(かんおう)型の浸潤がんと判明しました」

昭和大学横浜市北部病院の工藤進英・消化器センター長はAIが、がん発見に貢献した症例についてこう話す。

場所はS状結腸で、一見ポリープに見える隆起性病変は5ミリ大=写真㊤。検査薬のインジゴカルミン色素をかけると、陥凹局面(溝)が明瞭になり陥凹がんと診断され、陥凹型のがんが浮かび上がった=同㊦。AIのおかげで早期発見され、手術して完治できたという。S状結腸は直腸とともに大腸がんの好発部位として知られている。

「この患者さんの場合、ポリープに見えた突起は良性を思わせるようなピンク色をしており、この段階でがんと気づく医師は多くないかもしれません。経過観察とし、次回検査したときには、がんが進行しているということにもなりかねません」

それを補完するのが、AI支援内視鏡だ。工藤医師が開発にかかわった「EndoBRAIN― Plus」(エンドブレイン・プラス)というAI診断ソフトウェアには、エキスパート(熟練)医師が診断した画像数十万枚を機械学習させ、検出感度92%で病変が、がん化していることの判断が可能となった。色素をかける前に、このポリープがすでにがん化しているかどうか判断できたのは、膨大な機械学習のたまものなのである。

ちなみに昨日の記事で取り上げたエンドブレイン・アイは、ポリープやがんを発見するのを支援するAIで、今回のエンドブレイン・プラスは、発見された病変が、がんなのか良性なのかを超拡大内視鏡を使って区別するAIだという。

陥凹型のがんは、見つかりづらいほか、進行が早いという、ありがたくない特徴もある。

「良性のポリープからがんになるスピードよりも、初期の陥凹型のがんが、進行がんになるスピードの方が圧倒的に早いことはあまり知られていません。気づかないうちに、陥凹型のがんが進行しているなんていうケースは少なくありません」(工藤医師)

5年前に大腸がんを経験した東京都内の70歳代の秋葉吉彦さん(仮名)はAI支援内視鏡の登場を患者仲間に聞いて嘆息する。

「突然、大腸がんと診断されたときにはステージⅢでかなり進行しており、大腸を数十センチ切る大手術をしました。陥凹型だったかどうか説明はありませんでしたが、当時、AI支援内視鏡があれば、もっと早く発見できたかもしれません」

医薬品や医療機器、診断機器は進歩しており、どの時代に治療を受けるかは確かに運、不運がつきまとう。大腸がんの治療技術も進歩しており、ステージⅠの早期に発見されれば、5年生存率は91・6%と高い。しかし、ステージⅣでの発見になると、治療技術や新薬も及ばず、同率は18・8%に落ち込む。

それだけ、がんの早期発見が大切になり、特に経験の浅い医師の診断を支援するエンドブレインの役割は、ますます高まっている。 (取材・佐々木正志郎) ※写真提供、工藤医師。取材は感染予防に配慮して行いました。

工藤進英(くどう・しんえい) 1973年、新潟大学医学部卒。秋田赤十字病院外科部長・胃腸センター長を経て2000年昭和大学医学部教授に就任。同大横浜市北部病院副院長(兼任)などを歴任し、現在、同大国際消化器内視鏡研修センター長・特任教授。上海復旦大学附属華東医院終身名誉教授。

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