展望 米中覇権争い

中国は宇宙戦で「制宙権」を目指す! 人民解放軍が主導権握り軍事優先、日本の衛星も標的に

中国海南省の発射場から打ち上げられた大型ロケット「長征5号B」=4月(新華社=共同)
中国海南省の発射場から打ち上げられた大型ロケット「長征5号B」=4月(新華社=共同)

「宇宙を制する者が世界を制する」という格言がある。宇宙空間は今や、軍民両分野において最も重要な空間であり、米中が「制宙権(=宇宙の支配権)」を巡る争いを展開している。その中で、中国の宇宙開発の特徴は、人民解放軍(PLA)が主導権を握る軍事優先である。

中国の宇宙開発は最近、驚くべき成果を出している。だが、以下記述する中国の「月探査」「火星探査」「宇宙ステーションの建設」はすべて、軍民両分野における制宙権を握るためのプロジェクトであることを最初に指摘したい。

2019年1月、月探査機「嫦娥4号」は月の裏側への難しい着陸に成功した。20年6月、宇宙シルクロード構想の骨幹である中国版GPS「北斗衛星導航系統」を完成させ、正確なナビゲーションと時報サービスを世界各国に提供している。

中国は20年7月23日、ロケット「長征5号」により火星探査機「天問1号」の打ち上げに成功し、「天問1号」搭載の火星探査車「祝融」は21年5月14日、火星に着陸し探査を開始した。

21年4月29日、中国独自の宇宙ステーション「天宮」の中核となる「天和」が「長征5号B」ロケットにより打ち上げられた。「天宮」は22年末までに完成予定だ。

しかし、この長征5号Bの巨大な残骸が宇宙空間から地球に落下する際、中国はこれを安全な所に落下させる努力を完全に放棄した。この無責任な姿勢は、07年に対衛星ミサイルで自国の衛星を宇宙で破壊する実験を行い、大量のデブリを発生させ、世界中から非難を浴びた事案と同根である。中国の宇宙開発の根本に、こうした問題があることを指摘しておく。