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「ワクチン入手困難」の韓国・文大統領が“命乞い” あす米韓首脳会談、見抜かれている“二股外交”のツケ…「踏み絵」迫る可能性

米ワシントンに到着した文大統領。「踏み絵」を迫られそうだ(聯合=共同)
米ワシントンに到着した文大統領。「踏み絵」を迫られそうだ(聯合=共同)

ジョー・バイデン米大統領は21日午後(日本時間22日未明)、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と、米ワシントンのホワイトハウスで首脳会談を行う。両首脳が対面で会談するのは初めて。韓国メディアは主要議題として、「新型コロナウイルス対応」「北朝鮮政策」「経済同盟拡大策」などと報じているが、それほど甘くはない。バイデン政権は、文政権の「親中・従北」姿勢を見抜いており、韓国国民に首脳会談を通じて「自由主義陣営に残るのか、中国共産党側につくのか」という選択を迫りそうだという。長谷川幸洋氏が、崖っぷちに追い込まれた文政権を考察した。

韓国の文大統領が21日、ワシントンでバイデン大統領と会談する。来年3月に大統領選が迫るなか、支持率が急落中の文氏とすれば、首脳会談を機に求心力回復を図りたいところだろうが、思惑通りになる見通しはない。

なぜなら、バイデン政権は米国と中国を天秤にかける文政権の「二股外交」をとっくに見抜いている。それに加えて、「自由」と「民主主義」「人権」「法の支配」を軽視する文政権の姿勢に不信感を募らせているからだ。

象徴的な例は、文政権が昨年12月に作った北朝鮮向けの「ビラ禁止法」である。これは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏が強硬に求めたビラの配布制限要求を受けて、文政権が強引に成立させた法律だ。

与正氏は昨年6月、ビラ散布に対する報復として開城(ケソン)にあった南北共同連絡事務所を爆破した。それほど、北朝鮮には目障りだったのだ。だからこそ、逆に米国は「大型風船を使ったビラと、電子機器の散布が、正恩体制に対する有効な打撃になる」とみていた。

米国務省は3月に発表した2020年版の国別人権報告書で、韓国のビラ散布禁止法について「表現の自由」に対する深刻な人権侵害と認定し、文政権に圧力を加えていた。

それだけではない。

アントニー・ブリンケン国務長官は同月、ソウルで開かれた米韓の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に先立つ記者会見で、「われわれは人権と民主主義、法の支配に対する尊重によって支えられる『自由で開かれたインド太平洋』という共通のビジョンを達成したい」と語った。

そのうえで、習近平国家主席の中国を名指しして、香港や台湾、新疆ウイグル自治区、チベットにおける人権弾圧、南シナ海での国際法無視を批判した。北朝鮮についても「自国民に対する組織的で広範な弾圧を続けている」と非難した。

これは明らかに、文政権の「親中・従北」路線を牽制(けんせい)する発言である。同席した韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相が、中国や北朝鮮について、一言も言及しなかったのに比べて、対照的だ。

◆韓国に「踏み絵」迫る米政権

そもそも、韓国は米国と同盟関係にありながら、バイデン政権の対中包囲網から外されている。米国と日本、オーストラリア、インドの4カ国による戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」に参加していない。それは、文政権が中国と二股をかけているからでもあるが、代償は大きい。ワクチンが手に入らないのだ。

韓国でも新型コロナの感染が拡大し、ワクチン入手が重要課題になっている。だが、米国は隣国とクアッド加盟国への供給を優先する方針で、韓国は袖にされている。

一言で言えば、バイデン政権は、もはや任期が残り1年を切った文政権を相手にしていない。韓国の“伝統”に従えば、文氏はいずれ「監獄行き」だ。

それよりも、「自由民主主義勢力につくか、『親中・従北』路線の継続を選ぶか」と、韓国国民に選択を迫る。今回の首脳会談で、バイデン氏はそんなメッセージを発信するはずだ。

■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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