ドクター和のニッポン臨終図巻

ミュージシャン・和泉宏隆さん 死因は急性心不全 ライブで聞きたかったピアノ演奏

新型コロナウイルスに関する皆さんの不安や疑問に応えたい。そんな想いからYouTubeで「長尾和宏のコロナチャンネル」なるものを立ち上げて、かれこれ1年以上になります。

それまで、ほとんどの週末を全国各地での講演会やトークショーに費やしていました。コロナ禍ですべてがなくなりました。だからこそYouTubeというツールがあって本当に良かった。出口の見えないステイホームの今、これがなかったら、皆さんとの繋がり方が見いだせずに、僕のストレスは何倍にも膨れ上がっていたでしょう。

医者の私ですらそうなのですから、ミュージシャンの方々の焦燥感はいかばかりか。この人が昨年8月に開設されたYouTubeチャンネルも、眠れない夜に拝見していました。その見事なピアノ演奏にウットリ。ああ、コロナが収束したら絶対に生のライブにお伺いしよう! と思っていたのに、叶わぬことになりとても残念です。

日本を代表するフュージョンバンド「T―SQUARE」の元メンバーで、脱退後もソロのピアニスト、キーボーディストとして活躍していた和泉宏隆さんが、4月26日に都内の病院で死去されました。享年62。死因は、急性心不全との発表です。闘病の詳細はわかりませんが、ライブの予定はめじろ押しだったようですから、心臓突然死だったと推測します。

急性心不全は、病名というよりも心臓に異常が起きて、ポンプ機能を急激に失った状態をいいます。原因となる主な疾患として、虚血性心疾患(急性心筋梗塞)、致死性不整脈、心臓弁膜症などが知られています。

しかし、こういった症状が見当たらない、まだ若くて元気な人が、ある日突然、急性心不全として急死されることがままあります。2018年に66歳で亡くなられた俳優の大杉漣さんもそうでした。

昔は、「ポックリ病」と呼ばれていましたが、最近は遺伝子変異などによって特発的に心室細動が起こる「ブルガタ症候群」という病気も致死性不整脈を誘発します。この病気は夜間に発作が起こることが多く、働き盛り世代の男性かつ東洋人に多いと言われています。

日本では、急性心不全で年間10万人以上が亡くなっています。コロナで死ぬより、10倍もリスクが高いことを知ってください。

和泉さんと僕は同じ年です。しかも名前に同じ漢字が2つ。なんだか他人とは思えず…ああ、僕も和泉さんみたいにピアノが弾けたなら…と西田敏行さんの歌をひとり口ずさんでいます。

■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

zakzak

  1. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月9日OA第50話あらすじ 特訓が続き舞(福原遥)が発熱、悠人(横山裕)は両親に近づこうとせず…

  2. 【虎のソナタ】思わぬ大物が阪神へ移籍してくるかも 12・9現役ドラフトは大注目

  3. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月8日OA第49話あらすじ ソロフライト訓練の着陸で舞(福原遥)はまたもセンターラインを外し…

  4. 清瀬汐希が初主演映画で体当たりヌード ベッドシーン撮影になんと4時間

  5. NHK朝ドラ「舞いあがれ!」大河内教官(吉川晃司)を擁護する声続出「フェイルさせて平気なわけじゃないのが背中でわかる」