話の肖像画

演出家・宮本亞門(63)(1)「中途半端」は興味なし

産経ニュース
演出家の宮本亞門さん(川口良介撮影)
演出家の宮本亞門さん(川口良介撮影)

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《世界で活躍する演出家。テレビのバラエティー番組やCMで見かけるにこやかな笑顔…。好感度は抜群だろう。だが、新型コロナウイルス禍によって仕事は一時激減。一昨年は、前立腺がんにもなった。いま改めて「生」をかみしめる》


がんになって「中途半端に生きること」に興味がなくなりましたねぇ。僕の生き方を貫いたり、東京五輪に対する発言のように、思ったこと、感じたことを口にしたりしてもいいじゃないか。たとえ総スカンを食らっても構わない。がんにならなければ、そこまでは思い切れなかったでしょう。

だからといって、エキセントリックになって勝手な方向へ走り出したり、誰かを否定したりするわけではありませんよ。「死」というものを、より身近に感じるようになったからこそ今、生きていることをすごく大事にしたい。一瞬でも無駄にしたくない、という思いに駆られるようになったということです。しょせん人間は、大きな宇宙の中で生かされているちっぽけな存在。きれいだな、って自然を見つめたり、深呼吸をして生きている実感に感謝しながら、よし、今できることを存分にやろう、って。

がんのその後は順調です。幸い早期でしたし、手術後はむしろ、前よりも体調がよくなったくらい。周りから「(がんになった)かわいそうな人」なんてふうに見られると、「だ・か・ら、僕は大丈夫なんだって!」と大声で言い返したくなりますから(苦笑)。

僕には、まだまだやりたいことがいっぱいある。思う存分に生きて「ありがとう」と言って死にたい。それが願いです。


《前向きに生きるコツがある。過去の悪い記憶や体験を「良いこと」に書き換えてしまうことだ》


過去のイヤな出来事にいつまでもとらわれるのはよくない。あのときは…と思い出して痛みを引きずったり、無理にフタをしたり。あの人は「なぜあのときあんなことを言ったのだろう?」なんて考えてしまうと、ネガティブな気持ちになるばかりです。

悪い記憶は、アップデートして「いい記憶・経験」に書き換えて受け取った方がずっと幸せになれる。「僕のためを思って言ってくれた、してくれたことなんだな」って。そうありたいな、と考えているとホントにそんな気持ちになってくるし、穏やかになれる気がするのです。

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