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千葉発 1日の運賃収入4480円の日も 銚子電鉄 生き残りかけ奮闘

産経ニュース
レトロ調に改装されている銚子電鉄の車両内=千葉県銚子市(長橋和之撮影)
レトロ調に改装されている銚子電鉄の車両内=千葉県銚子市(長橋和之撮影)

コロナ禍追い打ち

同電鉄は銚子-外川間を結ぶ全長6・4キロのローカル鉄道。昭和50年ごろまでは年間150万人を超える利用客がいた。しかし、少子高齢化による市人口の減少などに伴い、利用客は右肩下がりで減り続け、一昨年は約35万人。コロナ禍の昨年は約27万人に落ち込んだ。

コロナ禍の影響はすさまじく、例えば昨年4月18日の1日の運賃収入は、わずか4480円だったという。

運行している車両は3編成で、京王電鉄などで使用された中古車両。いずれも前回の東京五輪より前の昭和37~38年の製造だ。老朽化が進んでいるが、使用できる車両は中古市場には少なく、新造すると「1編成で約4億円程度の費用がかかる」(竹本社長)ため手が出ない。

利用客の多くが観光客とはいえ、生活路線として地域住民の生活も支えている。通勤通学や車を運転しなくなった高齢者の移動手段になっているほか、平日の昼間には、近隣の小学校の児童たちも通学で利用する。途中駅で数分間停車する際には、乗務員と子供たちが笑顔で交流するほほえましい様子が見られる。

映画制作の動機となった変電所の修繕費用は、国のほか県や市からも補助金が出ることになったが、会社の負担も大きく経営状況は依然として厳しい。

竹本社長は「近隣の中学校が統廃合され、通学に電車を使う中学生が増えることも考えられる。今つぶすわけにはいかない。皆さまに支えられてきた分、少しでも恩返しをして『ありがとう、銚子電鉄』と言ってもらえるようにしたい」と力を込めた。

銚子電鉄】 正式名称「銚子電気鉄道」。「銚子遊覧鉄道」を母体に大正12年に創業。通勤通学や観光の足としてだけではなく、地元しょうゆメーカーの貨物路線としても活躍してきた。高度経済成長以降、自動車の普及や人口減少により経営が悪化。公的補助やぬれ煎餅の販売などの利益で鉄道事業を続けている。そのため、企業調査業務を行う帝国データバンクは、銚子電鉄の主要業種を「米菓製造」としている。

記者の独り言】 千葉に赴任して1年。東京育ちの私は、最近まで銚子電鉄を知らなかった。平日の午後に乗車してみると、買い物に向かうとみられる高齢者の姿が見受けられた。6・4キロの短い路線だが、生活に必要としている人がいることを実感した。採算が取れなくても地元の人々のためにあの手この手を尽して鉄道事業を続ける銚子電鉄を、応援したい気持ちになった。(長橋和之)

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