【住宅クライシス】歴代オーナーも傾き把握 「危険」指摘後、所有権3転(1/3ページ) - イザ!

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歴代オーナーも傾き把握 「危険」指摘後、所有権3転

傾斜が大きい南側建物の内部。数十世帯が入居している=大阪市城東区
傾斜が大きい南側建物の内部。数十世帯が入居している=大阪市城東区
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大阪市城東区の住宅密集地で、27日に明らかになった賃貸マンションの傾斜問題。傾きが大きい南側の建物は、8年前に専門機関が危険性を指摘して以降、所有権が3度も変わった。傾斜の責任は一義的には現在の所有者が負うとみられるが、歴代の物件オーナーも欠陥は把握していた。傾斜の事実や危険性の認識は適切に引き継がれたのか。

「居住続けるには酷」

不動産登記簿などによると、2棟はともに昭和61年に完成し、兵庫県加古川市の工務店が賃貸経営を始めた。ところが平成24年3月、工務店は2棟を大阪市の不動産会社に転売した。

産経新聞の取材に応じた不動産会社は、購入から数カ月後に傾きに気づいたと明かす。当然のように抗議したが「事前に説明した」「おたくもプロなら買う前に調べるべきだ」などと諭された。売買条件が、物件をありのままの状態で引き渡す「現状有姿」だったため、弁護士には民事訴訟を起こしても「勝ち目なし」といわれたという。

工務店は取材に対し「設計図などは売却先に引き継いだ。亡くなった先代の頃のことなので分からない」と説明。そしてこの不動産会社も、専門機関が建物の危険性を指摘した4カ月後の25年7月に南側を、27年2月に北側をそれぞれ転売している。

南側の建物所有権はその後、不動産会社の転売先だった大阪市内の業者から一度は大阪府豊中市内の太陽光発電業者に移ったが、傾斜の説明の有無が問題になり、昨年3月に大阪市内の業者に戻っている。

建物問題に詳しい1級建築士の福島敏夫弁護士(大阪弁護士会)によると、当時の民法の規定では、不法行為から20年で損害賠償請求権が消える「除斥期間」が適用されるため、建築時の工務店側の瑕疵(かし)が傾きの原因だったとしても、すでに請求権が消滅していると指摘。また、商法の規定では、法人間の取引で瑕疵の隠蔽(いんぺい)を理由とした賠償請求権は契約から5年で消滅するとされており、建物に関する一連の責任は現在の所有者が負う可能性が高い。

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