実際は使っていない薬剤を患者に投与したように電子カルテを改竄(かいざん)し、診療報酬をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた三重大病院元准教授の境倫宏(みちひろ)被告(48)に、津地裁は22日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。
四宮知彦裁判長は判決理由で「自己の立場を悪用し、常習性も認められる。直接的な利得はなかったとはいえ、被害は少額にとどまらない」と非難した。一方、懲戒解雇された点などを考慮し、執行猶予を付けた。
判決によると、令和元年8月~昨年3月、計81回にわたり、小野薬品工業(大阪)が製造・販売する薬剤「オノアクト」を投与したように装い電子カルテを改竄。上司だった元教授の亀井政孝被告(54)=詐欺罪などで起訴=と共謀し、診療報酬計約84万円を病院の口座に入金させた。