主張

「世界の記憶」改革 新制度で反日虚説許すな

 歴史的な文書などを登録する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶(世界記憶遺産)」について、政治利用を防ぐための制度改革がようやく固まった。

 中国が申請した「南京虐殺文書」が登録されるなど、「記憶」を利用した反日宣伝が横行してきた。当然必要な改革であり、厳しく順守を求めたい。

 新制度は個人や団体に認められていた申請を政府に限り、関係国は異議申し立てが可能となる。異議が出た案件では関係国間の対話の仕組みを定め、決着がつかない場合、審査は棚上げされる。

 指針で、申請は事実に基づき偏向のない記載で行うことや、立証不可能な主張、主義や思想の宣伝を排除する原則を定めるという。ユネスコ執行委員会は21日の全体会合で改革案を最終決定する。

 事実に基づく偏向のない記載など、本来当たり前のことだ。それに反するものが登録、申請されてきたことにあきれる。

 平成27年に登録された「南京虐殺文書」では、資料の詳細が分からぬままだった。根拠が不明確な資料や写真が含まれると指摘され、犠牲者「30万人以上」などとする中国側の虚説を広げる宣伝に他ならない。

 28年には中国や韓国などの民間団体が慰安婦関連資料を申請した。日本政府の抗議で登録判断を延期し、加盟国による作業部会で制度改革が検討されてきた。中国や韓国も参加しており、運用を歪(ゆが)めることがあってはならない。

 慰安婦関連資料の申請をめぐり、韓国政府は「民間が決めること」などと傍観してきたが、それも通らなくなる。27年の日韓合意で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、国連など国際社会において互いに非難、批判することは控えると約束した。韓国は忘れてはならない。

 制度改革は日本政府が強く求めてきた。座視すれば日本の名誉を傷つける嘘が世界で放置されるだけだった。「南京虐殺文書」の撤回も当然求めるべきだ。

 ユネスコのほか国連機関で日本の主張を明確にできる専門家らの人材育成、派遣も欠かせない。

 慰安婦を強制連行された「性奴隷」などとする嘘がいまだに喧伝(けんでん)され、慰安婦像が建てられている。事実に基づく反論をためらわず、国益を守る取り組みが一層重要なときである。

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