主張

ヤングケアラー 見過ごさず支援の手厚く

 18歳未満の子供が、家族の世話や介護を日常的に行う「ヤングケアラー」について、国が初の実態調査を行った。

 中学・高校生の約20人に1人(約5%)と予想以上に多い。進学をあきらめるなどの影響も大きく、深刻な問題が見過ごされてきた。官民で連携し、相談態勢と支援の手を厚くしたい。

 厚生労働、文部科学両省が公立中学と全日制高校の各2年生を対象に調査した結果、「世話をしている家族がいる」と答えたのは、中学生で5・7%、高校生で4・1%だった。40人クラスに1~2人いる計算だという。

 病気や障害のある父母、高齢で介護が必要な祖父母のほか、兄弟姉妹を世話する例が目立つ。

 頻度は、半数近くが「ほぼ毎日」と答えた。1日に「3時間未満」との答えが多いが、「7時間以上」も1割おり、「精神的にきつい」と答えた生徒も1~2割にのぼった。

 自分の時間が持てない。学業に支障がでる。多感な時期の心身への影響が懸念される。

 調査ではヤングケアラーについて、社会の周知が進んでいないことが分かった。家族を世話している生徒も、その認識がなく、周囲に相談しない例が目立った。学校側へのアンケートでは中学で約4割、高校で約6割が学外の支援につないでいなかった。

 サンプル数を限った定時制、通信制高校への調査では、世話している家族がいるという生徒は全日制の2倍以上とさらに多い。

 小学生らの幼い子供が、日本語が通じない外国出身の親の世話を担う例もあるという。さらなるきめ細かな把握と対応が必要だ。

 高齢者の介護のための窓口は増えてきたが、介護する側の負担にはあまり目が向けられてこなかった。埼玉県は昨年、「ケアラー支援条例」を先駆けて制定し、ヤングケアラーを支援する人材育成の研修などを進めている。

 親孝行など家族の絆は尊いが、ヤングケアラーは「お手伝い」などとは状況が異なる問題だ。

 学校関係者によると、不登校の子供について家事に追われていた事情が後に分かった例もある。休みがちなどのSOSを見逃さず、家庭訪問などによる状況把握を躊躇(ちゅうちょ)すべきでない。育児放棄として虐待にあたるケースもある。深刻に捉え早期対応が必要だ。

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