北朝鮮からとみられる船の日本海沿岸への漂着事案は令和2年10月~3年3月の半年間に13件で、1年前の141件から9割減ったことが15日、海上保安庁への取材で分かった。朝鮮半島情勢に詳しい北陸大(金沢市)の福山悠介教授は「新型コロナウイルスの水際対策を徹底したい北朝鮮が、日本海での違法操業を自粛していることが背景にあるようだ」と分析。半面、中国船の違法操業は急増しており、海保が警戒を強めている。
北朝鮮からとみられる船は、日本の排他的経済水域(EEZ)内にあり、日本海の好漁場である「大和堆」周辺で違法操業し、魚介類を海上で他の外国船に売り渡して外貨を得ていることが知られている。夏から冬にかけてスルメイカやズワイガニなどを取るが、多くは小型の木造船で、台風や荒波で難破すると、北西からの風が強まる秋から冬に日本海沿岸へ流れ着く。乗組員の遺体が見つかることもある。