コロナ「第4波」最悪予測どう受け止める? 東京「4月末に1日3万7000人」のAI予測 専門家「あまり踊らされない方がいい」

変異株への危機感を強める小池都知事=8日
変異株への危機感を強める小池都知事=8日

 東京都が政府に要請した「蔓延(まんえん)防止等重点措置」は9日、正式決定される。小池百合子知事は東京の今後の感染予測について「5月半ばに1日4000人」と、1月の「第3波」を超える増加シナリオを明らかにしたが、米グーグルの人工知能(AI)は「4月末に1日約3万7000人」というケタ違いの予測をしている。どう受け止めればいいのか。

 政府は東京のほか、京都府と沖縄県も重点措置の対象とする。期間は4月12日から、東京は5月11日まで、京都と沖縄は5月5日までとする。

 東京の8日の新規感染者は545人と高止まりだった。大阪府は過去最多の905人を記録するなど拡大が止まらない。

 大きな要因となっているのが変異株だ。兵庫県と神戸市は同日、神戸市を除く県内では検体調査分の93・3%が、神戸市では同76・2%が変異株の疑いと判明した。

 英国由来の「N501Y」と呼ばれる変異株は、既存株に比べて約1・7倍感染力が強いとされる。国立感染症研究所は、感染者1人が平均何人にうつすかを示す「実効再生産数」が英国型は約1・3倍高い可能性があるとしている。

 東京の1日当たりの感染者が最も多かったのが1月7日の2520人だが、小池氏は今月7日、「陽性率が上がってきていることを考えたら、1週間に50%増加すると5月半ばには4000人という数字がはじき出される」と述べ、第3波を超える感染への危機感を強調した。

 東京大の仲田泰祐准教授による6日時点の推計では、英国並みに変異株が急増した場合、東京都の1日当たりの感染者が6月初めには約1200人となるとしている。

 英国由来の変異株について、日本医科大の北村義浩特任教授(感染症学)は「感染力が高まるのは間違いないが、実効再生産数を1・7倍高める可能性は英国の一部の研究にすぎず、疫学的詳細は分かっていない」と指摘する。

 こうしたなか、仰天の数字をはじき出したのが米グーグルの1日時点のAI予測だ。4月28日に東京は3万7609人、大阪は7559人の陽性者が出るとしている。

 この予測にはツイッターでも「最大のビッグウエーブ到来の可能性に注意した方がよい」「あまりにも過大な数字で驚きを禁じ得ない」といった投稿があった。

 さまざまな感染予測があるが、北村氏は「4月から5月にかけて東京でも1000人超という予測は現実味もあるのではないか。ただ、大きな数字が出たとたんに自粛の動きが強まるなど、行動変容が起きるのも感染症予測の難しい点だ。注意喚起や広報として適度な利用には効果があるかもしれないが、政策的な意味は薄く、あまり踊らされない方がいい」とクギを刺した。

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